リーマの新製品「フリーマックス」、ミーリングカッター「hi・aeQ」、U軸システムだけではない、多彩な試み実践するコメート
江川宏営業部長
- コメートグループは、EMOショーで出展したばかりのリーマの新製品をはじめ、日本市場で実績を積み重ねてきているミーリングカッター、販売の主力を占めるU軸システム、工具の最適使用を促すツールスコープなど、多彩で多様な出展でメカトロテックを盛り上げていく。江川宏営業部長に全体を俯瞰してもらった。
- EMOショーで初お目見えとなったのが、リーマの新製品、Freemax(フリーマックス)という3コーナー使いのリーマのことだ。
- 江川部長は「1回転当たり1・2ミリから1・9ミリという高送り加工を実現した。H7の精度が確保できるうえ、セッティングはトルクレンチで締め付けるだけ。従来、必要だった調整の煩わしさからも解放された」と新製品の特長を真っ先に語った。
- 高送りが可能なのは刃数の多さと関係するが、6枚刃(径70ミリ~径75ミリ)と8枚刃(径80ミリ~100ミリ)の2種類がラインナップされている。
- 昨年末から好転してきた建機分野で、実績を積み上げつつあるのが、ミーリングカッター『hi・aeQ』。建機の鋳物加工で採用され、高評価が下されるようになり、今回、ワイパーチップバージョンが登場した。
- 「ワイパーチップ付きはRaで0・56ミクロンを達成しているが、なしでも1ミクロンが出せるカッターだ。8コーナー使いとなる」。
- さらにターボチャージャー部品加工にフォーカスして提案される、アーバ―フェースミーリングカッターという新製品も登場。16コーナー使いで高送りを特徴とする。
- CFRP、GFRPといたコンポジット材向けに、「ナノミクロンクリスタルダイヤモンドコーティング」を適用したミーリングカッター、ドリルにも、要注目。需要の拡大を見込み、大阪工機が在庫販売を準備している。
- 工具メーカーでは「異色」の提案となる「ツールスコープ」。インダストリー4・0関連とも言える「刃先に近いところで加工工程をモニタリングし、生産性を向上させる」工具メーカー初の試みだ。
- 「マシニングセンタにツールスコープを取り付けて、工具に加工工程を学習させ、管理・最適化させていくシステム。モニタリングの結果から何がどのように悪いのかを把握し、工具を最適な状況下で使用できる。この結果、工具寿命の最適化と不良ワークの削減を実現し、生産性向上とトータルなコストダウンが可能になってくる」そうだ。
- 販売の主力を占めるU軸システムは、旋削で対応していた加工がマシニングセンタで可能になり、設備の集約化を促すもの。ジャパン創業以来、売り上げのベースを担っている。
- 「2017年は、昨年に比べると売り上げで2桁の伸びを達成している。特に2年前、ゼロスタートしたスタンダードツールが社内シェアで15%を超えるまでになってきて、顧客に認知いただけるようになってきたことは喜ばしい」。