「品揃えという価値を再認識」する齋藤社長。ストレートドリルの「最後の1社に」とい考えも 小径ドリルの今後はグローバル展開がカギ握る

株式会社サイトウ製作所

株式会社サイトウ製作所

齋藤社長

 

  •  大田区のPioで開催されていた「微細・精密加工技術展」に出展していたサイトウ製作所を訪ね、齋藤社長に近況を取材した。

 

 

  •  「昨年に比べると、商品の動きが緩慢になり、在庫がなくなっていくペースも落ち着きを見せてきた」。流通在庫も「足りない」→「普通」への転換が見え始めたようだ。  「活況を呈してきた、この3年間、品揃えという価値を再認識し、武器として活用していくことの重要性に思いを馳せるようになってきた。新製品も必要かと思うが、標準サイズの豊富さにこそ、アドバンテージがあると再考するようになっている」。
  •  齋藤社長はストレートドリルを例に挙げる。
  •  「100分の1とびでラインナップしている。ルーマ型に比べ、工程が増え、効率も悪い。面倒なものづくりの一例とも言えるが、しかしながら、この分野は、需要の増減が少なく、サプライヤーも限定されている。最後の1社に留まる覚悟で取り組んでいこうと決意を新たにしているところだ」。
  •  サイトウ製作所では、ドリルの生産が8割、うちΦ3ミリ以下が7割、Φ6ミリ以下で括ると9割を占める、文字通り、微小径ドリルに特化する工具メーカーと言えるだろう。  「小径ドリルをどのように駆使していくか。その際、グローバル展開が今後のカギを握ってくると思う」。
  •  このほど、宮城・角田の新工場が完成した。
  •  「検査体制や、基礎解析の役割を担っていく。移設も考慮すると、既存工場の生産スペースの拡大にも繋がったことで、増産体制構築にも貢献する」。
  •  特色ある工具メーカーの「進路」、その発展に、今後も目が離せない。