今年1月〜3月の第1クォーターは前年同期比プラスで推移(サイトウ製作所)

株式会社サイトウ製作所

株式会社サイトウ製作所

齋藤社長(角田工場内で)

価格、利益、価値といった経営に関わる指標を念頭に置いて、サイトウ製作所の齋藤社長を訪問した。
 「1月~3月の1クォーターで見ると、利益確保では、悪くない数字が積み上がっている。コロナ禍における変幻自在力、臨機応変力とも言うべき対応力が養われてきた結果と捉えている」。
 「面倒を価値に変えるモノづくり」を追求する姿勢は一貫している。工具のアイテムによって、数量など受注内容に差があり、量産効果が出しにくい環境で、納期と高効率の両立は容易ではないだろう。事実、細かい注残も発生しているそうだ。
 「価格改定の議論で重要なのは、価格は会社の利益にも、給与とも繋がっている、つまり生活に関わっていることを1人、1人が再認識することだろうと思う」。
 全社的に共通の認識を持つ事を、価格改定に踏み切る前提にしたい、とも。少なくとも、改定論議は営業部の担当という狭義であってはならないと断じる。
先般の東北の地震で復旧に要したのは1日
 「先般の東北の地震では、1日で復旧に漕ぎつけた。機械のレベル出しも複数のスタッフができるようになっており、大地震への対応と言う点でも、全社的な取り組みレベルが上がってきている。別言すれば、1人、1人の危機管理意識と対応能力が向上してきている」。
 全社的な、一枚岩的な取り組みの進展を伺わせる事例であり、社外へ支払うコスト、給料、販売価格等を議論し実行する下地は十分と捉えられようか。
 価格改定のポイントとして、日本のゼロ金利政策の先行き、海外でのインフレや為替等一企業としての努力では対応できない点にも考慮して対応していきたいと齋藤社長は言う。
 安定した高品質な製品を安定供給すると言ったものづくりの基本に加え、概況の激変による価格改定力、震災などへの対応力等様々な事が要求される局面での今後の活動に、注目していきたい。