「コロナの『おかげで』今がある」齋藤社長―創業90周年迎えるサイトウ製作所

株式会社サイトウ製作所

株式会社サイトウ製作所

齋藤社長

新年を迎え、サイトウ製作所の齋藤社長にインタビューを実施した。

 「2023年の売り上げは、前年比で、ほぼ横ばい、昇給、仕入れコスト等の上昇を織り込みつつ、狙った利益が確保できた」。
 2023年の工具業界では、国内需要の低迷の影響で、前年比でマイナスを余儀なくされたメーカーが目立った。「健闘した」だけではないだろう。
 「コロナ禍に見舞われ始めた2020年から、残業・休日出勤ゼロを掲げ実践し、この『ダブルゼロ』に端を発した発想と活動が、製造、工場間接部門、営業、更には総務といった全セクションに波及し、これまで中々進まなかった定期保全、研究開発、切削テスト等が納期や効率を犠牲にせずに進められるようになった。組織の中で一気通貫的な考えのもと、臨機応変・変幻自在力が強化された結果だととらえている」と総括しながら「ここ数年の実績を振り返ると、コロナの『おかげで』と言える現状がある。小径で小ロットならではの、やりにくさ、面倒くささ等を意識的に積み上げてきた、この点が大切だったかと思う」と振り返る。
 同社のアトムと呼称される小径工具は、世界29カ国に出荷されている。
 「付け加えると、アメリカの子会社は絶好調で、2023年は前年比2桁以上の売り上げアップを見ている」。
 話題性に、もうひとつ花を添えると、1934年創業のサイトウ製作所は、今年で90周年を迎える。
 「続けて来たことを今年も更に深く高い次元で実行し、90周年を今後に繋げる節目にしたい」と言う。
 今後、5年、10年と言えば、創業100年を射程に捉える。3代目の社長として、今後も齋藤社長の手腕に期待したい。