サイトウ製作所がイタリアの工具商と代理店契約

株式会社サイトウ製作所

株式会社サイトウ製作所

齋藤智義社長

 

  •  サイトウ製作所は、日系メーカとも関係の深い、イタリアの工具商「プレアルピーナ」と代理店契約を締結、前後して、齋藤智義社長は、技術スタッフとともに自社工具に関するプレゼンを行い、イタリア市場に向けて販売をスタートさせた。

 

  •  「欧州代理店第一号の誕生となった。プレゼンでは、全営業マンの方に集まっていただき、丸一日、対応頂いた。英語、イタリア語、日本語、それぞれの言語が飛び交う打合せの中で、技術的な議論はもちろん、カタログ製作の方法やデータの采配など、日本との違いを実感した。欧州では、基本的に、複数の言語に置き換えていく作業がカタログ製作等でも求められるため、汎用性の高さは必須。各国・各言語への置き換えを容易にするため、極端な言い方をすれば、スケルトンのようなデータがカタログ製作では重要性を増す」と言う。

 

  •  齋藤社長自らが欧州市場を歩くようになって、およそ3年。この間「アトム・ヨーロッパ」を立ち上げ、欧州でのマーケティング活動を展開、その具体化として、今回の代理店契約に繋がったそうだ。
  •  「当社の今後を見据えていくためにも、海外、特に欧州との取引は重要と判断した。微細精密技術‐その使い方、仕組み等を、今後、どのように新たに構築していけばいいか。変革のための『外圧』の行使=海外との取引、という図式を描いた」と言う。
  •  たとえば、国や地域による商習慣の違いに対するレスポンス力を齋藤社長は挙げる。
  •  「日本以外に見る商習慣の違いは、販売活動のみならず、開発や製造、品証など、様々な部門への影響をもたらすことから『外圧』と捉え、この違いに対応していくことで組織全体の改革を促す事に繋げる」。
  •  「今、受注量の増大によって、工場レベルでの課題は、日ごと、大きくなってきており、従来からの刺激だけでは、『袋小路』に迷い込むような気がする。江戸の幕末、ペリー提督率いる黒船来航によって、日本の近代の幕が上がっていく大きな契機となったように、欧州からの『外圧』を私がペリーになり替わる役を演じていくことで、工場、さらには組織全体への変革への導火線の役割を果たしていければ、との思いがある」。

 

  •  拡大する受注量だけを捉えても工場改革に着手しない訳にはいかない現実がある。
  •  「技術力のアップは、営業の動き方にも、いい意味で影響を与えると思う。欧州代理店誕生によって、様々な『副産物』をもたらしてくれるものと期待している」。