「注目したい工業製品の軽量化」酒井サカイ社長
工具設計の見直し不可避
酒井社長
今年の景気を天候になぞらえると「全国的に薄曇り」だったと言う。
酒井社長にとっては「切削加工を手がける、末端の工場の稼働率が落ち着いてきた」との判断に基づくようだが「この1年の需要で特徴的だったのは、被削材がスチールからアルミやアクリルといった非鉄関連に、トライアルを含めてシフトしてきていることだろうか」との指摘は重要だろう。
ただ、切削専門問屋としては、品不足を想定して、在庫の拡充は怠っていない、とも付け加えた。
「ひとつの関心として、各種工業製品の軽量化に着目したい。工具設計が変わっていくためで、新しいニーズの発生にも繋がっていく。加工上では、薄くなり、バリやたわみなどへの配慮が必要になってくる」との軽量化への対応を説く。
古くて新しいと言われる「バリ取り」対策では、機械加工を選ぶか、切削・研削加工を駆使するか、手作業に終始するか。
「3択かと思われるが、取りずらいバリをいかに簡単に除去していくか、弊社の提案でも試行錯誤していきたい」。
今期12月決算は、他社同様に売り上げベースでは、前年比マイナスを見込むようだが「2桁減はない」との水準を示す。
コロナの5類への移行に伴い、プライベートショーが復活してくるなか、リアル会合も着実に増えてきている。
「直接の顧客であるディーラーから、弊社の営業のスキルをあてにされ、営業所が新人研修の場として、活用されるようになってきている。困りごとの相談に応じていくなかで、工具に対する認識をさらに深めていき、期待に沿えるよう、来年以降も、研鑽を積んでいきたい」。