「在庫力」通じ、ユーザーサイドのトライアルを支援。仕入れメーカー同士の相互訪問も奨励するサカイの酒井社長。

株式会社サカイ

株式会社サカイ

酒井社長

ウィン‐ウィンと言う言葉が一時は頻繁に使われた。相互にプラス効果や恩恵をもたらすということだが、5月の連休の谷間でサカイを訪問した際、ふと、この言葉を思いだした。
 「品揃えに磨きをかける」「在庫を切らさない」-切削専門問屋の立ち位置として当然のように思えるが、ユーザー需要を反映したディーラーからは「(サカイには)ないサイズはない」という安心感はホント心強い、そうで、事実、昨年の工具を取り巻く景況全般は芳しくなかったが、サカイは好業績を残した。
 酒井社長は「今も内需は本来の基調ではなく、手探り状態だと思う。言わばユーザーサイドでは、様々なトライアルが実践されている。求められる工具径・刃長は多岐にわたり、多様な被削材に対応するための工具需要に事欠かない。内需の急回復も視野に入れ、在庫の充実に努める所以だ」と語る。
 サカイにとっての「在庫」は、顧客とのウィン‐ウィンの関係を結んでいくための必要不可欠な行為と言える。
 その一方で、サカイでは最近、仕入れメーカー同士の相互訪問を奨励している。
 「同じ種類の工具を製造するにしてもメーカーによって方法、プロセスが違う。相互に刺激を受けて頂き、技術力を鍛え上げていくきっかけになれば、弊社にとっても、より質の高い工具の提供を受ける頻度が高まっていく」。
 仕入れメーカーを育てることに通じるばかりか、質の高い工具の提供を受けることでエンドユーザ―にも喜ばれる。
 「結果として、メーカーと(ディーラーを介して)ユーザーとの懸け橋になれるかと思う。この流れでは、取引メーカーにパブリックの展示会参加もお勧めしている」。