顧客からの要望を踏まえて「半導体ほか」分野の開拓も追求するサカイ。精度意識し、コーティング技術にも着目へ

酒井社長
サカイと取引のあるメーカー幹部が「ひとことで言えば商品力が凄い。他社にないアイテム、その品揃えは圧巻で、ここに安定した利益の源泉があるかと思う」と指摘する。
工具でわからないことがあれば「サカイに問い合わせろ」と語るディーラーも多く、酒井社長による工具の「目利き」への評価に繋がってくる。
酒井社長は「弊社と付き合いのある工具メーカーは専業が多く、ありがたいことに差別化できる商材に事欠かない」との優位性に触れながら「足元ではやはり切削加工の量的縮小を実感している。需要の高い自動車関連ばかりか、顧客であるディーラーからの要望を踏まえつつ、半導体など他の分野も模索して、少なくとも、現状をキープしていきたい」との考えを示す。
この間の需要の特徴として、酒井社長から挙げられたのは①工具素材の内部給油タイプの増加②機械性能アップに見合う工具性能の向上③ワークの用途別需要の拡大、深化‐などだが「仕事量縮小を反映して、ユーザーのトライアル(試作)が活発化しているのも特徴だろう」との実態にも言及する。
穴径や面粗度といった精度面に対する要求が、一段と厳しさを増してくるなかで、「コーティング技術の深化にも目を向けていきたいと思っている」とも。
最後に酒井社長は「複数のメーカーから価格改訂が実施され、『駆け込み』需要が発生した」ことも付け加えた。