サンシン精工(山梨県・甲斐市)で生産性向上、工具寿命アップに貢献するユキワ製スーパーG1チャック。 半導体製造装置関連部品がメイン

株式会社サンシン精工

株式会社サンシン精工

村松生産技術部係長

  •  精密機器部品の受託加工で実績を積み上げているサンシン精工を訪問した。  創業は1985年。土橋信廣社長が「山梨(サン)の地で、新しい(シン)人生を、精密機器を、工(タクミ)の技で切り拓く」との思いから「サンシン精工」と命名したそうだ。
  •  取材に応じてくれた村松生産技術部係長は「現在、取引企業は80社を超えるが、仕事のメインは、半導体製造装置関連部品が占める。受注ロットは1個から200個と多様だが、50個オーダーが最も多い。ワークの大きさは800角が主流。公差は100分の5以内。設計から焼き入れ、研磨までの一貫体制を敷き、部品の見た目にも気を遣っている」ものづくりを標榜する。
  •  顧客対応のなかで、神経を遣うのが、納期対応のほか、図面上での幾何公差及び品質そうだ。
  •  「受注内容のスペックに応じて機械を選定し、機械ごとに1カ月の予定表を作成。協力工場への手配を含め、オペレーター全員が把握できるようにし、効率的な運用を心がけている」と言う。その中には、特急枠も設けられているそうだ。
  •  村松係長が入社した10年前から、機械設備では複数の刃物が使える「マシニングセンタ」シフトが加速。最近ではDMG森精機のNHX400ほか、先月、7月には新たにロボドリルが導入されている。

 

  •  ユキワ精工との付き合いが始まったのは3年前から。
  •  「外径で100分の2くらいの公差が求められた深さ55ミリの穴あけ加工で、径12首下60でトライしたが、回転を落としてもビビッて、どうしようもない。何かいいホルダはないかと商社の方に相談し、勧められたのがユキワ精工のスーパーG1チャックだった」。
  •  早速試してみると「ロボドリルに装着し、同じ切削条件で加工したが、ビビリがなくなって切削音が静かになり、加工面がきれいになった。工具寿命も伸び、たとえば、SUS316Lを加工した際、従来は2時間で使いものにならなくなっていたが、8時間加工しても大丈夫」といいこと尽くめ。
  •  「以来、精度を出したいとき、必要な時は必ず、スーパーG1チャックを活用するようになった」そうだ。
  •  この3年間でスーパーG1チャックの導入本数が目に見えて増え、今では30本を数えるそうだ。
  •  現場へと案内され、直接、オペレートする村松係長に感想を聞いてみると「スーパーG1チャックのおかげで、工具の振れがなくなり、快音になり、加工の安定性が得られるようになった。従来、40番で対応していた加工を、ロボドリルとスーパーG1チャックの組み合わせで試してみると、3時間半かかっていたのが2時間50分に短縮できるようになった。切削条件を上げられた結果だ」との評価が返ってきた。

 

スーパーG1チャックの活用でビリが解消し、加工の安定性をもたらしたと

スーパーG1チャックの活用でビビリが解消し、加工の安定性をもたらしたと言う

 

マシニング関連のオペレーターに集まっていただいた。後列中央が村松

マシニング関連のオペレーターに集まっていただいた。後列中央が村松係長