自動化、省人化を追求するタルイシ(山形市)訪問。BT30番機の納入台数拡大によって、客先で課題に挙がってきたのが能率改善。スーパーG1チャック活用を提案

株式会社タルイシ

株式会社タルイシ

小松営業本部長

山形県下の有力商社と聞いて「タルイシ」を連想しない業界人はいない。
 小松営業本部長は「自動車、航空機、食品、産業機器関連・・・と需要層は多岐にわたり、多品種で小ロットのものづくりを手がける顧客が多い。それだけに、提案させて頂く商材の特性を踏まえつつ、需要に応じた色んなアイディアを携えて訪問できるよう、配慮している」と語る。
 取引ユーザーはおよそ800社。山形県内に本社および6営業所を擁し、工作機械や切削工具及び周辺機器、測定、環境機器など、トータルに扱える強みを発揮している。山形県下に特化し、営業39人、アシスタントを含めると63人という充実した陣容も魅力だろう。
 昨年の特徴だが、電気代高騰への対応として、省エネ関連の需要が高まった。
 「環境負荷低減策としても有効な手立てだと思う。最近の取り組み例だが、顧客の要望に応じて刃物や測定機などの勉強会(昨年は50件以上)を積極的に実施する一方、若者の県外流出への対応として、協働ロボットを通じた自動化、省人化提案にも力を割いてきた」と言う。
 独自イベントとして2年に1度開催されるタルイシのプライベートショー「3TICフェア」は東北最大級で、前回は、昨年10月に開催され、出展メーカー184社のもと、2日間で2722人の集客を見た。タルイシに対するユーザーからの期待度を図る尺度とも言えようか。
 ユキワ精工製ツーリングとの出会いは、BT30機の設備で実績を上げていたことに関係する。
 「納入台数が増えるにつれ、課題として挙がってきたのが、φ10ミリ、φ12ミリのエンドミル加工の能率改善で、この流れの解決策としてスーパーG1チャックに遭遇。2016年には、その性能を実地で確認すべく、若手社員10名ほど伴って、ユキワ精工小千谷本社を訪問した」。
 当時、常務だった酒巻社長が直接、工場案内と実演のプレゼンを担当した。
 「実加工テストで、φ12ミリのエンドミルを用いた力強い加工にびっくりしたことを今でも覚えている」そうで「コレットを換えるだけで効率を挙げることができるうえ、何よりも(BT30機という)機械剛性を補完できる魅力は大きい」との、その後のユーザー事例に即したメリットも指摘してくれた。
 現在、足元の評価で多いのが、ビビリが抑えられたことによる刃物の長寿命化。「この付加価値によって、お客様が違う加工を増やしていければ、弊社にとっても、新たな工具需要が発生してくる」との期待がかかる。
 6月には次の世代を育てるべく、第2回となる「ユキワ精工本社ツアー」を実施する。
 「技術に裏打ちされた経験を重ねていくことが、我々商社にとって必要不可欠で非常に大切。次代の層を担っていく若手スタッフが自信をもって拡販できるよう、交流していければ」との期待を寄せる。


昨年10月に開催された3TICフェアの様子