新工場稼働は9月から-タンガロイ・いわき工場。メイドインジャパンの力が評価され、海外売り上げが70%に迫る
木下社長
タンガロイの海外の売り上げが70%に迫っている。
木下社長は「北米の需要が高く、欧州も好調。中国は伸びが鈍化しているが、インド、タイともに良い。総じて海外はメイドインジャパンの力が評価され、実績に繋がってきていると思う」と語る。
海外からのユーザーの、いわき本社への訪問も活発なようで「いわき2泊、東京2泊」の旅程が定着してきたと言う。
さて、12号棟に位置づけられる新工場がいよいよ、9月から稼働スタートする。
「東北の震災以降、9、10、11と各号棟を建設、稼働させてきた。いずれもベースにあるのは、地震に強い工場づくりであり、供給をストップさせないとの思いが強い」。
昨年も、東北地方は地震に見舞われている。地震への対応は不可避に違いない。
「もちろん、売り上げが過去最高記録を塗り替えていく中『在庫を持って商売をさせて頂く』ためにも生産能力アップは必要不可欠。特に新工場ではパウダー製造の自動化の促進がキーとなる」ほか「今後、転削工具のシェアップや複合加工の需要への対応も視野に入ってくる」。
設備の点では15%程度の余剰能力を持つことが肝要らしい。
「新製品を仕込んでいく、開発トライアルも考慮しなくてはいけないからだ。地震への対応にも関わってくるが、弊社では、原材料、中間、最終の各在庫を豊富に抱えることが、生産能力を上げ、お客様にご迷惑をかけない、有効な対応と捉えている」。
国内は自動車生産の不安定さの影響が大きく、楽観視できないだけに「新案件の受注が大切になってくる」。
過去最高だった2018年に2021年時点で追いつき、2022年には更新した。新工場は9月の本格稼働開始に向けて、急ピッチで準備を進めているようだが、2023年の業績にどのように貢献するか、見守っていきたい。