パーツフィーダー、減速機、半導体関連で成果出すテムソン(長野・上伊那郡)。 2026年からはモデルチェンジする半導体関連の受注でユキワ精工製スーパーG1チャックフル活用へ

テスト加工でビビリ解消。-宮澤社長は、ツーリングでこんなに変わるものかと驚嘆した
パーツフィーダーの部品加工を手がけないか‐との父親が運営する会社からの依頼を請け、関連会社のテムソンを引き継ぎ、工場長として、2005年から、切削加工の生業をスタートさせた。
宮澤社長は「ポリテクセンターや一般企業で、NC旋盤やマシニングセンタの操作には多少の心得はあったものの、駆け出しもいいところ。およそ4年かけて、ものになるまで、実践的に、半ば独学で、修業の日々を送った」と言う。
2005年には、取引のあった商社、材料メーカーからの紹介でパーツフィーダー以外の仕事を請け負うことに。
「会社を大きくしたい、そんな夢を語りながら、仕事を出してもらい、人を雇い、設備を増強する機会を得て、組織づくりへの第一歩を踏み出した」。
とは言え、コアとなるのは、その後もパーツフィーダー。7割という「主食」であり続けたが、仕事の質、量ともに大きなターニングポイントとなったのが2018年。長野県からの紹介を受け、知名度の高い、県内の企業からの受注に成功したことによる。
「パーツフィーダー以外で、今の骨格を成す、減速機、半導体関連の部品加工を請け負う機会を得た。減速機は1ロット100個~200個、半導体は1ロット64個で月に4~5ロットの受注ベースだったが、その後、受注量の拡大に応じて、2022年には、第二工場を増設し、設備的には、従来からのマシニングセンタやNC旋盤、ワイヤカットに加え、品質保証では3次元測定機の導入に踏み切るなど、一貫生産体制の構築に努めた」。
ちょうど2022年ごろには、半導体に関連して「モデルチェンジの可能性が出てきた」との話が浮上。昨年12月にブラザー・スピーディオに装着しテスト加工を試みたが、ビビってしまい、思い通りにいかなかった。
「ワークはHPM38という高機能材で、5ミリ厚、39×57と言うサイズ。嵌め合い公差が+-1000分の6という難しい加工内容だった。リーマだと歩留まりが悪く、エンドミルでこの精度を出すのが難しい。商社の方に相談したところ、30番機ならユキワ精工のツーリングを勧められ、今年6月の、商社主催の展示会に出展していたユキワ精工さんのブースにお邪魔し、スーパーG1チャックのサンプルを2本出してもらうことになった」。
そうして、8月にはモデルチェンジに伴う試作部品加工に着手。
「従来のツーリングと違い、ビビらなくなったばかりか、感覚的に切削条件を50%程度上げても、所定の公差をクリアすることができた。また、生産性についても30%程度はアップしたかと思う。ツーリングでこんなに変わるものか、って言うのが正直な感想だ」。
試作から量産に入れば、スーパーG1チャックの真価がより鮮明になるだろう。 「私の計画だが、モデルチェンジ部品の加工は、月産200個から300個は手がけていければと思っている。スーパーG1チャックの有効活用が、弊社でもいよいよ来年から始まろうとしている」。
機械好きな49歳。展示会には度々足を運ぶと言う。