余儀なくされる超硬素材の出荷停止
「課題は原材料をいかに入手していくか」‐トーカロイ

株式会社トーカロイ

業界最高レベルの硬度と優れた耐摩耗性能を備えるAGS1、P種、M種双方の特性を活かしたPM25・・・他社ではなかなか見出せない特徴ある合金素材をリリースするトーカロイ。だが、取り巻く環境では、中国による昨年からのタングステンおよび超硬材料の輸出規制以来、超硬工具製造に不可避な、合金素材の高騰、品薄感を巡る話題に耳を傾けない訳にはいかない。
 合金素材分野を統括する佐藤営業スタッフは「超硬の原材料高騰への対応として、昨年12月に合金素材の価格改定を実施させていただいたが、高騰のみならず、入手自体がさらに難しくなっている。原材料の入手目途が立たず、現在は超硬素材の出荷停止を余儀なくされるなど、従来にはなかった、業界全体が直面している初めての経験かと思う」と危機感を募らせる。
 単純にAPT価格はこの1年で5倍に跳ね上がっている。半端なレベルではない。
 「3月までの下半期は、原材料の高騰から合金部門の赤字幅をいかに抑えていくかで弊社の業績が左右されると言ってもいい。だからこそ、素材単体の供給に留まらず、当社の強みである『形にする技術』へのシフトを鮮明にしている。自動車関連部品をはじめとする加工品分野や金型、ノズルなど、他の部門は総じて堅調に推移しているからだ」。
 超硬合金事業の下半期の予想は、現時点で増収減益。
 「中国が輸出規制解除に向かわない限り、来期は、さらに原材料の手当てが困難を極めてくる。新たな入手ルートの開拓など、可能な限りの手を打っていく一方、設計段階からの応力解析や超精密加工といったソフト・ハード両面の付加価値で、この局面を打開していくつもりだ」。
 佐藤スタッフは「素材は特に顧客との良好な関係を築いていくことが大切」とコメントしつつ、来期も積極的に展示会活用を図っていく方針で「久しぶりの出展となったMEX金沢(5月)を皮切りに、テクノフロンティア(7月)JIMTOF(10月)といった場を通じて、訴求していきたい」。