マルト長谷川工作所がユキワ製スーパーG1チャックで加工の厳しいニッパーの刃元部の切削で成果

株式会社マルト長谷川工作所

株式会社マルト長谷川工作所

加工での精度出しでスーパーG1チャック搭載のトライアルが続いている

 

  •  ハイスペックなニッパ・ペンチづくりを志向して、昨年、創業95周年を迎えたマルト長谷川工作所を訪問した。ハンドツールの製造で全国的にも有名な、新潟県三条市に位置する老舗で、歴史的には、この地で鉄が採れたことから農機具や作業工具へと発展していった経緯がある。
  •  「中心アイテムであるニッパーは、プラスチック用、弱電用と製品別にラインを組んでいる。丸棒の材料から鍛造して、ある程度、形にしてから焼鈍(なます)した後、穴あけ、座ぐりなどの切削加工を経て、かしめていくというプロセスを踏む」と一貫生産体制を採る現状を長谷川栄一製造部次長は説明する。
  •  年間のトータルな生産量は150万丁で、ほぼ、標準品で占めている。販売は基本的に商社ルート、海外が6割を占め、1国1商社で日本のみならず世界にも拡販している。
  •  「アメリカや中国ほか、もともと、輸出の実績が高く、昔は7割以上を占めていた。1年以上先まで注文を頂いているのが現状で、特に機械加工では手直しを極力排除していくことが課題に挙がっている」。
  •  熱処理後、重要になる「歪みをどうするか」というプロセスのみならず、機械加工での精度出しを追求していけば、その後の刃を付ける手作業が楽に行えるメリットも享受できる。
  •  機械加工では、従来から専用機を駆使していたが「横挽きで鉄を削れる特長が活かせる機械」として、およそ1年前にブラザー工業のスピーディオ(パレットチェンジャー付き)を2台同時に導入した。
  •  「まだまだ、トライアルの段階で、フル稼働には至っていないが、ツーリングで、より良いものを!と探し求めていた時、ユキワ精工さんの工場見学の機会があり、精度のレベルに歴然とした差があるのを目の当たりにしたことから購入を決めた。ニッパーの刃元部分の加工は治具と干渉しないように小径で突き出し量の長いツーリングが必要となるが、スーパーG1チャックは、突出し量があるのにビビらず、この『逃がし窓』を作り込んでいくのにアドバンテージがある。また、切り込み量を多く取っても、高い精度をキープしてくれる」。
  •  厳しい納期への対応には、機械加工での効率追求も大きな課題に挙がってこよう。スピーディオとの今後のシナジーが楽しみだ。

 

スーパーG1チャックのメリットを享受する現場スタッフ

スーパーG1チャックのメリットを享受する現場スタッフ

 

製造責任者の長谷川次長

製造責任者の長谷川次長