車載部品やレジャー用品に関わる需要に対応する「ワイエム・モールド」(大阪・八尾市) ユキワ精工・スーパーG1チャック装着でビビリ解消、面粗度も向上。刃物寿命2割アップも体感

株式会社ワイエム・モールド

株式会社ワイエム・モールド

生田製造部長

 車載関連部品やレジャー用品に関わる需要を背景に、年間で約70面(型)のプラスチック金型を設計、製作するワイエム・モールドを訪問。製造の生田部長、濱田課長に業務内容の特徴はじめ、需要動向、機械設備の活用法などを踏まえてもらいながら、ユキワ精工製ツーリングの役割と評価等についてヒアリングを行った。

創業は1955年4月、すでに70年の社歴を刻んでいる。プラスチック金型で個人起業し、折り返しに当たる1990年12月には法人化され、ワイエム・モールドと現在の社名に変更された。
「現在、コアとなる取引企業は6社。従来は車載関連部品が多かったが、3年前から新規開拓に努めてきたレジャー用品向けの受注が今年から拡大し、社内比率で半分以上を占めるまでに。加工の上では、ワークの形状は複雑化し、特に深彫りが増えてきた」。
被削材は基本的にNAC材だが、要望に応じて、高硬度、高耐食性優れるステンレス鋼「HPM38」を採用。設備面では13年以上前から、無人化にも配慮しながら、牧野フライス製IQ300(2台)をはじめ、同V33(2台)、ニデックOKKなどの立形マシニングセンタを主力に、ソディック製ワイヤカットなどを駆使してきた。  特に触れておきたいのが昨年8月、牧野フライスの立形5軸加工機『D200Z』の導入だろうか。
「5軸制御を駆使することで、複雑・深彫りでも、段取り替えを不要とし、治具も不要になるなど、ワンチャックでの加工が可能に。芯出しも自動、平行度・傾き補正もできるため、24時間稼働を達成し、無人化に寄与している」。
ユキワ精工製ツーリングとの出会いは、取引商社からの「ス―パーG1チャック推奨」だったと言う。

「5年前に遡るが、0・5R、有効長16ミリという、深モノの電極加工で、V33に装着してテストを実施。従来のツーリングでは難しかったビビリが抑えられ、面粗度が向上。その後、スーパーG1チャック20本を同時導入した」そうで「V33によるエンドミル加工は、今では、ユキワ精工が8割を占め、体感的だが、刃持ちは2割程度向上した」。
また、半年前からは、OKK製VMSⅢ(50番主軸)に、グリーンG1チャックを導入。
「ポケット加工や立壁加工で課題を抱えていたが、グリーンG1チャックを駆使することで『入れ子』が入り易くなったほか、切削条件を上げることが可能になったため、効率の点でも寄与してくれている」ばかりか「刃物寿命が2倍に伸びた」という成果も。
「総論的な話になるが、ツーリングの役割は、機械精度を安定して出せるかどうか。ここにポイントがあると考えている」と断じた。

オペレーターの矢田スタッフ

 

濱田製造課長