規格化製品のニューバージョン出展。豊明工場集約で新たな提案の深まりに出会う。
テクニカルセンター開設も浮上 至便な立地、旧本社工場の有効活用へ
豊明工場に製造部門を集約した、その結果を出していくのが今期の大きな目標に設定した中京は、06年から出展しているJIMTOFで、規格化製品の新バージョンを引っ提げて臨むことになる。
川瀬敏裕専務は「従来の製品に機能追加した形で、来場者に見て頂く。ニーズを先取りすることもあれば、要望の具体化でもある」と言う。
主要出展新製品は①CAL‐F/Plus」(内部給油仕様バージョン)②PCDエコ・へリックス「Trim Fタイプ」(刃先超繊細シャープエッジ仕様)「Mini Mタイプ」(短波長、低価格版タイプ)③PcBNインサート「HB560‐Fシリーズ」(鉄系焼結金属・鋳鉄仕上げ用に開発されたCBN高含有量グレード)‐にまとめられる。それぞれ詳細を見て行こう。
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①・・・内部給油仕様のため、切削油を刃先にダイレクトに噴射させることができ、高い潤滑性と冷却効果を向上させた。その結果、工具摩耗の抑制力を高めることが可能になる。
また、切りくずを噴射によって押し流し、排出性能もアップさせている。
経済性や効率性ばかりか、被削材の加工精度、表面粗さ向上にも寄与できる。
②・・・「Trim Fタイプ」‐プラスチック加工や繊維強化プラスチックのトリミング加工に最適。「スパイラル刃型」を採用し、刃立ち性アップ、切削熱の低減、加工バリの抑制に効果を発揮する。「直刃型」と比べ、3倍速の加工速度を実現させている。
「Mini Mタイプ」‐現行モデルの半分の刃長にして低価格を実現させた。一般的にPCDエンドミルでは実現不可能なネジレ20度のハイレーキ設計による未知なる切削抵抗の実現へと「コマを進めた」逸品だ。
③・・・新材種HB560の高耐久性、シャープエッジ仕様による際立つ刃立ち性、加工バリの抑制と良好な加工面を実現させる。
このほか、主な出展製品として「ブレーカ付PCDインサートが挙げられる。
「チョコ停、切りくず、寿命の点で、お困りの客先に引き続き、提案していきたい。切りくずの細分化、排出のコントロールを可能にし、品質上のトラブルやダウンタイムの低減に貢献していく」ものだ。 中京のユーザーは大手自動車メーカーばかりか、ティア1、ティア2クラス、さらに航空機分野でもリピートユーザーが増えてきた。
「後発メーカーとして常に意識するのは『品質は良くて当たり前』というスタンス。一度、ご理解が得られると指名買いも増えてきた。近い将来としての希望だが、独自の開発技術に加え、ユーザーのテストカットも請け負うテクニカルセンター開設も視野に入れていきたいと考えている」とし、「日本から海外に輸出する比率が30%にまで上がり、外国の方の訪問も考慮すれば、建設場所は、旧本社工場を考えていきたい。豊明工場に集約した後の有効活用を図らない手はない。空港からの利便性も高いからだ」と川瀬専務は結んだ。
設備導入で生産性もアップした
豊明工場概観