「CBN カル-カッター」に新たに鋳鉄用をラインナップした中京
新製品の小径ボーリングバイトも披露

株式会社中京

株式会社中京

「ブースでお待ちしております」

創業60年以上の歴史を刻むなか、中京はPCD/PcBN工具で他社と差別化しつつ、2年前から単結晶ダイヤであるMCD工具の製造にも着手、自動車産業の将来を見据えて新たな1ページを開きつつある。
 メカトロテックについて、川瀬社長は「ダイヤモンド工具メーカーならではの独自性のある商品群を披露していきたい。研磨、放電、レーザーと、加工方法が複数あるなかで、何が最も適しているのか。CO2削減への貢献も意識しながらトライアルを継続させていく」と語る。
 EMOショー視察では、EV化への対応製品を目の当たりにし「モータ加工用工具」に刺激を受けた。
 「日本のビジネススタイルが今後も成り立つのか。特に我々のような特殊工具メーカーにとって、流通組織との関係をどのようにすべきか、近い将来、問われてくると思う」。
 特殊メーカーであっても、標準化できるものは、標準化していくとの考えも。
 「EMOショーには、ブレ―カ付きインサートを持参し、欧州メーカーのブースを回った。1コーナーが主流のなか、マルチコーナー仕様を提示。詳細は別にして、驚いていた。ともあれ、需要を喚起するには、やはり世にないものを創造し、あとは売り先をどうするか、発掘していくことも不可欠のように感じた」そうだ。
 ここで目前に迫ったメカトロテックの出展製品紹介と一言コメントを頂く。
 まずは「CBN カル-カッター」。新たに鋳鉄加工用がラインナップされた。
 「FC/FCD加工用正面フライスカッターで、マルチコーナーCBNインサートの採用で、低コスト、高速加工を実現。従来のCAL-Fボディーと共用可能だ」。
 注目を集めている単結晶ダイヤモンドインサートも提案される。
 「超微細、超高精度加工を念頭に置きつつ、優れた切刃稜線形成により、ラップレス加工を実現している」。
 新製品の小径ボーリングバイトは「鉄系高硬度材から非鉄金属、樹脂加工まで幅広くカバー。NC旋盤、自動盤で使用可能な標準品をラインナップしている」。
 最後になるが、リリース以来、好評を得ている「エコヘリックス」。
 「ヘリカル刃型の採用により、切削抵抗を軽減。難削材への切削性能を飛躍的に向上させている」。
 主な出展製品は以上となるが、各製品の底流には「チャレンジスピリッツ」が内包している。
 EV化によって、部品点数は減少するが、アルミ仕様は増えてくる。
 「この点を捉えれば、ダイヤモンド工具需要は増えてくる。同時にドライ加工が増えてくる。今後はバッテリーケースのアルミ化も進んでくる。EV化は、対応次第では悪くないと思う」。