8月までに幹部候補生の絞り込みへ。60期に突入した中京
豊明工場概観
- 昨年8月23日付で3代目となった川瀬敏裕社長にとって、今期は初めてトップとしてトータルに関わり合う年度となる。
- 「コロナウイルスの日常業務への影響は、日ごと大きさを増してきているが、今期で当社は60期という節目を迎えた。昨夏の社長就任以来、(管理部門や営業ばかりか)製造も見るようになって、組織的な再編を望む声も聞こえてきた。就任半年間は、見守りつつ、準備をすると社内的に公言してきたので、次なる体制への始動に向けて取り組んでいくことになる」。
- 組織変更については、製造から品証部門を独立させ、品質保証部とし、各セクションは技術部、管理部、営業部、製造部の、計5部で構成するようだ。
- 「製造現場を見るようになって、整理、整頓という、2Sを通じた5S活動の重要性を痛感した。中小企業は、特殊品の特性でもある多品種少量生産がほとんど。整理・整頓はまさに基本だ」と力説する。
- 主力工場である豊明工場は開設45年を迎え、敷地内に新たに工場を増設していく腹案もある。
- 「消防・防火対策を考慮した、工場レイアウトの大幅な変更を視野に入れている。外周研磨機やワイヤカット、平面研削盤など、前期は積極的な設備導入を図り、さらなる生産性向上と効率化への布石を打った。仕事量では特殊品が大半を占めるため、受注への影響はあまりなかったが、さすがに、3月に入ってからはコロナウイルスによるマイナスが顕在化してきた。品質レベルは当然として、納期の順守、価格競争力、営業力向上といった、様々な角度からのレベルアップを追求して、利益確保ができるような体質へと鍛え上げていきたい」。
- 顧客のほとんどは、自動車関連であり、しかもパワートレイン系が中心を成す。
- 川瀬社長は「自動車産業のEV化、自動化に照準を合わせた設備投資とヒトづくりを意識しながら具体化していきたい。並行して、この次世代自動車用部品加工向けの工具をリリースさせていきたい」と語る。
- 今後、日本市場でのパワートレイン系需要の高まりは期待できない。次世代自動車加工用工具のラインナップは、生き残りを賭けて充実させていかなければ、との思いがある。
- 「とは言え、部門長以下が自ら考え、行動できるような体制でなければ、従来の発想に囚われてしまう。8月までに幹部候補生を絞り込み、これまでの『ファミリー』の運営から創業家以外からの幹部登用も考慮していく。次なる体制への試行錯誤は当分、避けられない」。
- 今期の計画予算は、コロナウイルスの影響を踏まえ、売り上げで2割減を予測している。