NEW KKK エンドミルユーザー訪問
ロール加工技術で躍進を遂げる中原製作所(岡山市中区)
「コスト、能率、工具寿命、納期対応等トータルなメリットに加え、フィードバックも速い

株式会社中原製作所

株式会社中原製作所

小山副工場長

ロール加工技術を梃子に、印刷機分野からフィルム製造装置、半導体、ロボット関連、リチウムイオン電池の製造装置と、時代のニーズを汲み取りながら業容を拡大してきた中原製作所。創業は1948年で、今年は「創業75周年」と言う節目を迎えている。
 中原経営企画室長は「当初から関わっている印刷機械分野は社内シェア4割と、今も主軸を担っている。弊社のロール加工技術への一貫した評価と捉えており、このコア技術をベースに他産業への横展開を図ってきて、現在、取引社数は全国で100社を数えるまでに成長を遂げてきた」と語る。
 加工するロールは、長さが2mを超えるものもあれば、径も200ミリといったボリュームのあるものまで様々だ。
 小山副工場長によれば「素材は主に圧延鋼、炭素鋼、高周波焼き入れ鋼など。ロールは回転体なので、回転するときのアンバランス、振動をいかに抑えるかが、加工のポイントになってくる」そうだ。
 受注するロールの総数は、月産で5000本以上、納期は2カ月~3カ月が多い。
 「設備に対する考え方としては、新規で単品モノが中心になるため、段取り性の良さが購入のポイント」のようだが「世界と闘う」には5軸加工機の重要性は無視できないとも付け加えた。
 小山副工場長は「2016年以降、DMG森精機の5軸加工機を順次、導入を進めていく一方、社内では同時5軸MCグループを創設し、ヒトの教育を含めて加工レベルの向上を目指してきた。顧客の間でも評判を呼ぶようになり、今後の需要では、ロボット関連部品分野で更なる需要を刺激し、成果を出していければ」と訴える。
 NEW KKKとの出会いは、2021年ごろ、取引商社である三和精機からの推奨だった。
 「最初はゴルフのパターの加工でボールエンドミルの『GS2BE120』を試してみた。価格的な魅力に加え、工具寿命も長持ち。この成果を見据え、その後、GS4SP040-4Dなどを採用し、フィルム関連の軸付きのロールの溝加工や配管用の金型加工へと、次第に新三協工具の適用範囲を拡大させていった」。
 主にDMG森精機、オークマの2社のマシニングセンタで活用しており「価格、能率アップ、工具寿命、納期対応等、トータルなメリットばかりか、フィードバックも速い」(中原室長)との評価のほか「なかには、小径用の4枚刃のボールエンドミルHS4BE020のような他社にはない商材もラインナップされている」利点もあるそうだ。
 NEW KKKに対する要望としては「サイズバリエーションをもっと拡大させて頂ければ、使用頻度をもっと上げていけるかと思う」と小山副工場長は結論付けた。

ロール加工でも使用頻度が増えてきた
ロール加工でも使用頻度が増えてきた

同時5軸MCグループの土井さん(右)と山崎さん
同時5軸MCグループの土井さん(右)と山崎さん

ロール加工に向けたセット例
ロール加工に向けたセット例