鋳造・鍛造品の一部を切削で対応する亀井精密
ユキワ精工製スーパーG1チャックで工具寿命2割程度のアップの実績も

株式会社亀井精密

株式会社亀井精密

試作の分野では自らマシニングセンタも駆使する亀井社長

鋳造・鍛造品の一部を切削で手がける、異形物加工を得意とし、実績を上げている亀井精密を訪問した。
 亀井隆浩社長は「私の父が自動車関連の試作屋として創業し、今年で四半世紀を迎えている。現在、取引企業は10社ほどで、試作と100個~1000個規模の量産加工の2本立て。両分野とも異形を掴む、治具づくりで差別化している」と語る。
 亀井社長の入社は2015年。太田市内の部品加工を担う企業でNC機のオペレーターとして、およそ15年間、従事してきた。
 「2011年に父が倒れ、その間、弟が仕事を引き継いでくれていた。個人企業から2018年には株式会社化し、前後して老朽化更新を含む設備増強に着手。ファナックのロボドリルを手始めに、以降、マシニングセンタの流れでは、ロボドリルの追加オーダー、2021年には、ものづくり補助金を活用してヤマザキマザックのVCN-530Cを現場に据えた」。
 設計~製造を担うのが一般的で、異形ものを掴む治具設計で優位性を発揮させていく。副産物でもあるが、現在、エアー治具の製造、販売も手掛けていると言う。異形物をクランプしていくための治具の製造では、タキサワのNC旋盤が活躍する。
 「ユキワ精工のツーリングは、創業者がニュードリルミルチャックを使っていた。振れ精度が良く、ヤマザキマザックのAJV-18N、ロボドリル双方の機種で活用していた」という、ご縁があったが「3年前にユキワ精工の営業の方がお見えになり、ロボドリルでスーパーG1チャックを試したところ、リーマ加工、バニシング加工で一番重視している振れ精度の高さが確認できた。従来のツーリングと比較して、面粗度や工具寿命の点でも、良好な結果を得た」と言う。
 因みに、消耗品である工具は2割程度の節約に繋がった。
 「現状では、リーマ加工で厳しい精度が求められる場合は、ヤマザキマザックのVCN-530C(40番主軸)にスーパーG1チャックを装着して活用している。コレット交換だけでどんな径でも掴めることができ、その利点は、段取りの良さに直結するばかりか、繰り返し精度の高さをキープすることにも表れる。さらにスーパーG1チャックは、径が大きくなっても、振れ精度の高さをキープしてくれる」との高評価を下す。
 現工場が手狭になってきたことから、工場移転も検討課題に挙がってきた。

径が大きくなっても、振れ精度の高さをキープするとの評価がなされた
径が大きくなっても、振れ精度の高さをキープするとの評価がなされた

ロボドリルでスーパーG1チャックをテスト加工。導入の決め手となった
ロボドリルでスーパーG1チャックをテスト加工。導入の決め手となった

エアー治具の製造、販売も手掛ける
エアー治具の製造、販売も手掛ける