和井田製作所の販売戦略機種のひとつは、APX-F50。ドイツに現地法人設立へ
和井田会長兼社長
- 和井田製作所本社を訪問し、和井田光生会長兼社長に市況感および関連する動向についてヒアリングするとともに、工場の稼働状況や注力している販売製品等についても言及してもらった。
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- 上半期は売り上げの下方修正を余儀なくされたが、最近の動向では需要が上がり、拡大基調を辿ってきていると言う。
- 「2022年も引き続き増加を予想している。ただ、国によるバラツキ、同じ国でも地域によるバラツキがある。輸送コストの極端な値上がりとコンテナ不足によるタイトなスケジュールなど、想定しづらい状況変化も表れている」。
- そこへモノ不足が顕在化し、まさに先行きには不透明が残る。
- 「輸出に関連する『輸出許可申請』に当たっては弊社が厳格に進めるために、相当な労力を費やしている。和井田製の機械を導入して何をするか。顧客が目的とする項目等に対して、ひとつ、ひとつ、エビデンスを得る必要があるからだ」。 中国なら当然、中国語の書類も必要となり、「増員しても、相当な時間を要する現状もある」と言う。
- コスト高をいかに吸収していくか。需要が回復してきたとしても、利益確保の観点から「値上げの検討も実施していく覚悟」が迫られる。
- 需要の回復に話を戻そう。
- 10月以降は、リピーター中心に顧客訪問が少しずつ、できるようになってきた。
- 「大手ユーザーは忙しくなってきており、自動車、切削工具、半導体と各分野で強気の姿勢が見られる。更新ニーズが発生し、弊社としても、お客様との対話を通じて自動化を提案し、生産性アップ、システム化、省力化を推進していきたい」。
- 今後の伸び代は海外との認識で、欧州にも注力していく。
- 「ドイツに現地法人を設立するべく準備に入った。景気が回復しつつあり、設備投資意欲の高まりも見られる」そうだ。 新製品販売では、全自動5軸複合インサート研削盤「APX-F50」を今年から来年にかけての販売の目玉にしていく方針だ。
- 「APXシリーズの5軸制御モデルで、従来は難しかった複雑形状加工にも対応する。機能性も高く、省スペース化にも配慮している」。
- 金型関連の需要が高い中国市場は、内製化の動きが活発に推移している。
- 「コネクタや電子部品の、自国で製作することの必要性が高まっており、当社のプロファイル研削盤、ジグ研削盤へのニーズが高まっている。先に触れた輸出申請を厳格に行うことにより、労力は増えるものの、最終的には弊社の安全性に繋がることになる」。
- 現在の生産状況はピーク時の9割まで回復し、残業や土曜日出勤も織り込まれてきている。
- 「ほぼ、2018年レベルにまで到達した。1台ずつ、個別の利益管理を行っており、利益の見える化を図っている」と言う。
- もちろん、リードタイムの短縮、仕入れのコストダウンにも余念がない。
- 2022年がいっそう、明るい年となるよう祈念せずにはおれない。
APX-F50