和井田製作所の比良営業本部長に「営業戦線の方向性」「顧客満足度追求のあり方」をインタビュー。バックオフィス体制充実に女性を積極登用

株式会社和井田製作所

株式会社和井田製作所

比良営業本部長

和井田製作所の比良営業本部長が6月25日付で常務に昇格したのを機に、改めて営業戦線における方向性や顧客満足度追求のあり方などを取材、紙面にまとめてみた。

 28歳で和井田製作所に入社後、東京支店を皮切りに国内営業に従事。今年で26年目を迎えている。
 「全くの異業種からの入社で、右も左も分からない自分に対し、お客さんは本当に様々なことを教えてくれた。とても幸せな環境だった」と振り返る。その後、41歳で(社内での)サービスの再定義に関わり、43歳で欧米課長を兼務し海外市場も経験するようになっていったそうで、現在、54歳。「今後も社として新たなことにチャレンジしていきたい」と意欲満々だ。
 営業成績では、前期2023年度の売り上げは75億円と、コロナ禍前の水準に近付いた。
 「コロナ禍での『スマイルキャンペーン』はじめとする、顧客の困りごとに対応するソリューション提案が受け入れられ、数字の上でも反映されるようになってきた。比較的、切削工具関連の設備機械の回復が寄与している」「エリア的には、欧米市場の開拓が進んで、新規顧客獲得につながっている。今後、中国市場での回復が進んでくれば、ピーク時売り上げの87億円の更新も見えてくる」と語る。
 ところで、営業本部は、同社内で最大の人員を擁する。近年は営業業務のサポートの為に女性スタッフを積極的に起用、バックオフィス体制の充実に努めてきた。
 「女性スタッフのモチベーション、語学能力共に高く、コロナ禍で進展したデジタル対応を組み合わせることで、海外との距離を感じなくなった。WEBサービスなどを積極的に活用し、現地に駐在するスタッフを直接支援したり(顧客からの)クレームや困りごとへの回答も時差レスで行えるようになった。これは海外の顧客満足度向上に大いに寄与している」。
 一方で、国内はコロナの5類への移行によって、顧客への訪問頻度を上げてきた。
 「頼りになる存在と認められるよう、訪問機会を従前よりも増やしてきたほか、個別対応を強化し、高山工場にご案内し、テスト加工を通じた技術交流を実施、信頼を深めることに努めてきた」。
 受注、引き合い、納入実績での注目機種を挙げてもらうと、全自動5軸複合インサート研削盤「APX‐F50」やデジタルプロファイル研削盤「SPG‐XV」が名指しされた。
 「F50は、従来機では不可能だった複雑形状にも対応できる5軸制御のAPXシリーズハイエンドインサート研削盤」であり「XVはデジタル投影機を搭載し、オペレーターによる目視誤差を解消、スキルレス加工を可能としたプロファイル研削盤で、当社独自の機能を搭載し生産性向上にも大きく貢献する」とその特長を指摘しながら「両機種とも、今までになかった付加価値を提供させて頂いている。今後とも顧客のニーズを取り入れていく過程で、さらに進化をさせる予定。ご期待頂ければ」とアピールする。
 今年はJIMTOF開催の年でもあり、新技術、新製品への結実へと期待が高まってくるだろう。


バックオフィス体制充実に、この間、女性登用が深くかかわってきた