月を追うごとに状況は好転。「無人で複合機」合言葉に前進する和井田製作所
和井田光生社長
- 「月を追うごとに、様相が、変わってきている」‐もちろん、状況は「好転」しつつあるということだ。
- 「昨年11月から中国でプロファイル研削盤関連が動き始めたが、総じて3月までは、先行きの見えづらさがあった。が、4月に入ってからは、国内の動きに確実性が伴ってきた。国内は好調を維持し、中国を含むアジア、そして独を中心とする欧州からも、さらなる精密、いっそうの生産性向上を模索するユーザーからの需要を掴み始め、今期全般を眺めた時、下期への期待が膨らみ始めている」。
- 金型関連のプロファイル研削盤が先行し、工具関連も立ち上がりがみられる。
- 「無人で、複合機を合言葉として、昨年のJIMTOFで披露させて頂いた、全自動インサート外周研削盤『APX‐105』、全自動溝入れインサート研削盤『GIG‐202』、そして全自動プロファイル研削盤『iPG‐X』が市場から好評価を頂いている。今期は、それを、さらに深耕させ、引き合いから受注、売り上げへと着実な歩みを進め、結果を出していきたい」との積極的な発言があった。
- APX‐105は、シリーズのフラッグシップ機であり、ワンチャックで複合加工ができる機種。GIG‐202は、高精度溝入れ工具の自動加工を可能とする。iPG‐Xは、和井田製作所の技術を結集した高精度全自動プロファイル研削盤であり、精度面での信頼性が高い。以上3機種に通底するのは、和井田社長の言葉とも関連するが、「さらに進化した高精度加工の自動化」にまとめられようか。
- 一方、ニッチを狙うアプローチで、金型関連、工具関連に次ぐ新市場への期待が込められた機械の紹介も。
- 「自動車や電子部品関連の大手ユーザーからのニーズの具体化になるが、車載用の半導体基板を研削する機械。炭化ケイ素系の被削材の研削で、従来の工程を大幅に集約した研削盤である。当社の匠の技を駆使し、1ナノ以下の面粗度要求に応えている」。
- 和井田製作所が放つ、今後、乞うご期待の機械の登場となろう。
- ここで話は変わるが、中国市場で、同社のプロファイル研削盤等が、急速に浸透した経緯を聞いてみた。
- 「たとえば、一代で100万人企業に化けた鴻海精密。中国進出前から機械の納入で実績を積み上げてきた当社は、今でも『別格』の扱いを受けている。台湾で産声を上げながらも、中国進出によって成功し、業容の拡大に伴って設備面での投資が活発化。さらに中国ローカルへと横展開され、当社の機械の中国市場での占有率が飛躍的に高まっていった。そんな企業が鴻海精密のみならず、多数ある」と、中国市場でのシェアの高さの歴史的背景を説明してくれた。
- 月を追うごとに、様相の変化が・・・取材する側の楽しみが増えてきた。
久保朝義副社長