今期からTGR-250αへの切り替え出荷がスタートした宇都宮製作所。高精度ニーズ対応、一段と

株式会社宇都宮製作所

株式会社宇都宮製作所

宇都宮社長

「昨夏以降、回復局面には移行しているものの、この流れが定着したとも言い難い。当社でシェアの高い自動車分野での生産の滞りの影響が大きいからだ」と宇都宮社長は語る。一昨年比で昨年の受注は大きく回復したが、コロナ禍前で最高の2018年レベルとの隔たりは、未だにあるとも付け加える。
 ところで「TGR-016シリーズ」と並ぶ人気機種「TGR-250」の「TGR-250α」への切り替え出荷が、いよいよ今期からスタートを切った。
 「昨期下半期からαへの注文が入り始めた。砥石軸とノズル軸とのセット交換はじめ、剛性を2割引き上げたベッドの再設計、直線軸ガイドのローラー化など、高精度化を図っている。10年間に及ぶ250の販売で要望の多かった機能を追加した、とも言い換えられる」。
 ベッドクーラント循環機能の装備やカバーの新たな設計も、要チェックだろう。
 海外案件については、昨年末から「リモート立ち上げ」での実績を積んできた。
 「欧州や南米向けでも需要が発生してきた。直接、訪問できないなか、当社としても、リモート対応できるような『仕組み』を進化させていきたい。『動画』を織り交ぜたサポートも、これから活用の幅を拡げてゆく」と訴える。
 自動車産業の部品の不足、滞りは、今後も予想がつかない。
 「再研磨メーカーも自動車産業からの影響が大きい。11月のJIMTOF開催までに、新たな技術提案ができるよう、地道ながらも取り組んでいきたい」。