山本金属製作所とZollerJapanが協業して、ツールプリセッターの自動化を提案。

株式会社山本金属製作所

株式会社山本金属製作所

繋がる社会システムをデザインする、ファクトリーイメージ。右が取材に応じて頂いた山本社長

山本金属製作所の山本社長を訪問し、機械加工現場をサポートするソリューション事業の概要と、これに連なるZOLLER Japanとの協業を追求する「ツールプリセッター自動化システム」の提案について取材した。

 山本金属製作所の創業は1965年、金属加工業でスタートした。
 「私は大学卒業後、工作機械メーカーに就職。テスト加工のほか、組み立て、据え付け、立ち上げまでを2年間経験させて頂いた」あと、1996年、24歳の時に大阪に戻り、山本金属制作所に入社した。
 当時は自転車の変速機器、ブレーキのほか、油圧関連の金具、ホース接手などの機械加工を主に請け負っていたそうだ。
 「32歳で工場長となった際、現場初のマシニングセンタとして、DMG森精機の5軸加工機を導入し、36歳で2代目の社長となって以降は、個々人の能力ではなく、組織で仕事をやり遂げていくことを目指してきた」。
 現在の取引企業はおよそ600社。陣容は山本社長入社当時の60人から300人規模へと拡大。事業内容も、機械加工業に加え、2012年、岡山に研究開発センターを設立して以降、ソリューション事業やロボットSIer事業等の機械加工を最適化するための研究開発を展開、その成果のひとつとして「ツールプリセッター自動化システム」の開発に繋がっている。
 「工場長時代に中小の現場を歩き、気づいたことだが、機械が割と止まっている。特に夜間は、ほとんど活用されることがない。生産とは?効率とは?と自問し、生産性アップのためのサポート体制を次第に意識するようになっていった」のが出発点だ。
 「ソリューション事業は、コロナ禍でも成長が止まらない。3Dプリンタを活用したロボットアームや周辺部品、特注部品の設計・開発をはじめ、機械加工のノウハウを活かした生産ラインのシミュレーション、遠隔地からのサポート体制構築、工作機械とロボットとの連動システム・・・各現場の要望に従って、カスタマイズできるのが弊社の強み」とポイントを説明してくれた。
 トレンドのひとつだが、EV化に向けた新たな生産プロセスへのアプローチ・FSWへの取組みも始まっている。
 「ZOLLERさんとの協業では、ツールプリセットの自動化を提案させて頂くことになる。工具の使用頻度が高いユーザーさんがターゲットで、すでに岡山の研究開発センター内にZOLLER製ツールプリセッター『venturion450』と天吊りの協働ロボットを活用し、工具のピックアップから測定までの自動化を目の当たりにすることができるようセットしている。ZOLLERのツールプリセッターは自動化に必要となる高精度を保証しており、様々な外部ソフトウェアとの連携を可能としている。自社製の専用アプリケーションにより、ロボットとツールプリセッターを一括制御し、無駄のない正確な自動化を実現している」。
 venturionは、機械設備が稼働中でも、1ミクロンレベルで計測した、工具の長さや径などの情報を工作機械に転送できるため、入力ミスがなく正確なばかりか、ロスタイムも発生しない。さらに付け加えるなら様々な種類、形状を備える工具の測定に対応できるソフトウエアは、ZOLLERの優位性を確立しているとも言えようか。
 山本社長が現場を歩いている経験から、工具の供給の自動化が遅れていることを実感していると言う。
 「ツールプリセッタ―の自動化の先にあるのは、工場のスマートファクトリー化。自社製のソフトウエアをCNC工作機械と繋いで、収集したデータを活用し、機械加工の最適化を図ることも得意だ」そうだ。
 最後になるが、ものづくりの横展開も注目したい。
 山本社長は「特殊工具への対応として、2015年には牧野フライス精機のMG30を導入」したばかりか「振動や熱を計測するセンサー内蔵のホルダーも開発し、販売も行っている」という、機械加工における最先端オペレーションの担い手として、機械加工全体の革新を展望する。

岡山の研究開発センター内に「ツールプリセッターventurion450と協働ロボットを設置」
岡山の研究開発センター内に「ツールプリセッターventurion450と協働ロボットを設置」