産業機械向け、自動車部品向けをメインに手がける山泰製作所(新潟県・南魚沼市)
スーパーG1チャックをテストでは、切削条件2割アップが可能に
今年3月のグリーンG1チャックでは工具寿命20%アップ

切削条件は2割以上上げることができ、加工時間短縮に寄与している、と語る室橋係長
親会社である鋳造会社の切削加工部門が独立する形で、山泰製作所が、1987年に創立された。
創業当初から関わってきた今井工場長によると「自動車関連企業からの受注をベースにスタートしたが、現状では、産業機械向けの真空ポンプ部品が半分以上を占め、車体と車両を繋ぐ防振金具などの自動車関連が30%、残りがエアコンプレッサや建設機械部品などで占めている」との業容を説明してくれた。
取引企業は、核となる20社からの「手のひら~クレーンでないと運べない」といった多様なワークサイズに、被削材では鋳鉄やアルミ鋳物が大半を占めている。
ロット数は、メインの産業用機械向けが月産100個程度、次に多い自動車関係では、同じく月産で2000個~6000個だが「多い場合は2万個/月」に上るそうだ。
「リピート品が大半で、月末に近づくにつれ、翌月の仕事量が読めてくる。求められる精度は高いものはミクロン単位。しかも異形状の加工が多いため、ニーズに見合った治具製作が不可避となり、ここに弊社のノウハウが活かされてくる」と今井工場長は語る。
受注内容の、設備への割り振りでは、生産技術の室橋係長、清水主任に登場頂いた。
「(マシニングセンタについては)小物で部品点数が多いものは、20台近く設備するブラザー工業、切削量が多くて剛性を必要としている場合は、ヤマザキマザック、牧野フライス、DMG森、三井精機の中から調整していく」そうで「(生産技術から見た)精度へのアプローチとしては、図面公差で指示されている半分の公差を目標にしている」。
ユキワ精工のツーリングは、今井工場長によると「創業時から活用している」ようだが、時代の変遷のなかで、「他社のツーリングをよく使うようになっていった」のが実態だったが「今から2年前の2023年、ユキワ精工の方が弊社にお見えになり、スーパーG1チャックを提案され、既存のツーリングと比較検討することになった」。
テスト加工では、4年前に導入した、一番、新しいブラザー工業製スピーディオに装着。
「ビビリが抑制され、加工音が静かになり、面粗度が明らかに向上した」との定性的なメリットに加え「切り込み深さや回転数など、切削条件は最低でも2割は上げられるようになり、幅9ミリ、深さ52ミリに及ぶ、アルミの深彫り加工では、5分から3分へと加工時間を短縮することが可能になった」(室橋係長)。
そして今年の3月には、スーパーG1チャックの成果の上に立って、グリーンG1チャックを20本購入。
「ブラザー工業以外の40番、50番の機械に装着したところ、工具寿命が20%アップし、加工効率がぐんと上がった」(清水主任)ことも無視できないだろう。
2023年のテスト加工以来、スーパーG1チャックの総数は100本近くとなり、グリーンG1チャック20本を合わせると、ユキワ精工のツーリングがわずか2年のうちに100本以上、導入されたことになる。
「最近では、ユキワ精工のツーリングのカタログ開くことが当たり前のようになってきた」‐そう言って、室橋係長、清水主任は顔を見合わせた。
今年3月にグリーンG1チャックを導入。工具寿命が20%アップした