引き合い目立つ立軸ロータリー平面研削盤VGR-DX. 岡本工作機械製作所
中国で研削盤の生産スタート

株式会社岡本工作機械製作所

株式会社岡本工作機械製作所

石井岡本工作機械製作所社長

岡本工作機械製作所の石井社長を訪ね、今期の業績推移をはじめ、好反応を得ている製品とその市場分野、2022年の最大イベントとなったJIMTOFの手応えなど、「旬」の情報を縦横無尽に語ってもらった。

 新中期計画3か年の初年度に当たる今期、2023年度(3月決算)は、売上高430億円、営業利益48億円という通期予想を想定している。
 「(前期からの)豊富な受注残に加え、今期の受注も好調に推移しており、通期予想の目標に対し、クリアできそうな状況にある。中間的に捉えれば、3か年最終の2025年度の売り上げ500億円、営業利益60億円と言う計画に弾みをつけているとも言えるだろう」。
 主要なエリアごとに動きを概観してもらうと「タイは、マーケットこそ大きくはないが、東南アジア全体の括りとして、景気は上昇機運を辿ってきている」「北米は、半導体サプライチェーンの国内展開が進められており、弊社にとって、半導体需要拡大によるロータリー系の工作機械の伸びが期待できると思う」「中国はEV用金型需要が堅調に推移している。弊社では今年、2023年末から、部品づくりを含め、小型研削盤の生産をスタートさせる。地産地消が目的だ」「欧州の市場動向は、ウクライナ問題のみならず、気がかりな点があり心配している」「日本市場は大型研削盤の受注が好調で約10%増で推移している。今期目標をクリアできると思う」-とのことだ。
 JIMTOFではブース来場者12000人を数え、大幅に増えたことが特筆できる。
 「ブースでは座る人が少なかった。久しぶりに開催された展示会に市場動向の調査が多かったと感じている。弊社では自動化、省人化をテーマに掲げたが、本当に扱えるのか、自問している人もいた。生産現場では人手不足や後継者不足が深刻化しており、今後もこのニーズに対し、継続して提案を行っていくつもりだ」。
 JIMTOF以降、引き合いで目立つのがニューモデルの立軸ロータリー平面研削盤「VRG-DX」だ。
 「効率の良さが好感されている。粗加工の工程で活躍が見込まれており、弊社としては金属加工だけではなく、セラミック・半導体関連産業向けとしても期待が大きい」。
 このほかの機種では、新たにラインナップされたグラインディングセンタUGM64GC、大型シリーズの平面研削盤PSG-CA-iQについても、引き合いの多さが目立つと言う。
 最後に今後の需要の一例にすぎないが、自動車の軽量化が追求されるなか、たとえば、シャーシーの切削から研削へのリプレース、EV車への移行に伴う研削加工領域の拡大など、岡本工作機械製作所の活躍の領域は、今後、益々広がっていくことが予見される。

会期中12000人の方がブースに詰めかけた
会期中12000人の方がブースに詰めかけた