カッターシリーズの新製品は4月から代理店に納入開始。2018年度の売り上げは14億円レベルに 円筒工程で設備投資する栄工舎新潟工場
円筒研磨工程の効率化を図っていく
- 4月決算を目前に控えた栄工舎を訪問し、東京本社では安部川社長と佐々木営業技術部長、新潟工場では越智工場長にそれぞれの立場からヒアリングを行った。
- 2018年度は、増収増益を見込み、売り上げでは14億円レベルが見えている、と安部川社長は、今期の業績をなぞる。
- 「詳細を語れば、ミニカッターシリーズや球面カッタ―、Оリング溝加工用カッターなど、本数ベースではリーマに及ばないが、売り上げへの寄与度で計ると、すべて超硬というアイテムの特性もあって、年々、その比重は大きくなってきた。伸び率の点でもカッターの方が大きい」と佐々木部長は、カッターの伸長を指摘する。
- 「また、昨年のJIMTОFは、当社のブースも活況を呈し、リーマやカッターといった工具種に関わらず、その後、新製品が売り上げに貢献した点も無視できない。初期在庫をしっかりやって頂ける代理店に恵まれていることを実感する」と安部川社長は、取引流通各社に謝意を述べる。
- JIMTОFで参考出展されたカッターの新製品は「工具材料の入手の遅延もあったが、4月以降、樹脂用を皮切りに、アルミ用、高硬度用と順次、少しずつ、リリースしていき、代理店には今月から納入を開始していく計画」とのことだ。
- 「来期の営業の課題は、営業スタッフの増員。世代交代を見据えた対応であり、若いスタッフの成長に合わせ、『層』としての人材確保に努めていきたい」。
- 安部川社長は「2019年度は69期に入っていく。当社にとって、前半は、あまり大きな変化はなく、好調が継続すると考えるが、後半は、やはり読めない」と語った。
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- 生産拠点の新潟工場では、時間を要する円筒の工程とNC機を扱う分野は、2直体制を採り、フル稼働状況が継続している。
- 越智工場長は「自動化の推進と、更なる設備投資の促進を課題に掲げている。4月決算が目前に迫ってきたが、2018年度は、前期に比べ生産本数ベースで2割アップを達成し、(工場の)統合効果をベースとした、設備導入メリットや現場力向上を実感している」と語る。
- 因みに自動化の推進については「欧州の工場視察を通じて、その遅れを実感している」そうだ。
- 設備では、直近で菱高精機のイプシロンを導入した。カッターやエンドミルのギャッシュ加工・刃付けなどに活用していく計画で「フラットのエンド刃にも対応可能」だそうだ。
- 懸案の円筒の工程ではロロマティック、ツガミ、シギヤ精機各メーカーの設備導入を念頭に置く。
- また、社内教育の一環にもなろうが「現場のスタッフには、展示会への積極的な参加を勧めている。自分が製作で関わった工具がどのように使われ、評価されているか。来場者との交流を通じて、刺激となるからだ」。
- 新潟工場には74名(正社員・パート)を擁し、平均年齢は41歳になると言う。
- 「NC機は1人で2台~3台持ち、溝切りなどでは1人で5台~6台に対応している。来期からの取り組みにおいても、効率化の推進、生産性向上は継続して追求していくことになる」。
越智工場長
佐々木営業技術部長