リアル展示会に積極出展を計画する栄工舎
生産体制強化ではANCA、ワルター各工具研削盤相次ぎ導入
越智社長
リアル賀詞交換会が復活を遂げた、まさにこのタイミングで東京都内を駆け回り、その足で栄工舎本社を訪問。越智社長に新春インタビューを申し出た。
◆
開口一番、昨年開催されたリアルJIMTOFに関する話題から越智社長は口火を切った。
「距離の近さは話しやすさに通じ、悩みや相談ごと、新しい情報の共有にまで踏み込むことができたように思う。リアルの良さを痛感すると同時に、ネット販売の限界を意識した瞬間でもあっただろうか」。
前回、2018年のJIMTOFでは参考出展だったアルミ、樹脂、高硬度といった被削材別のカッターシリーズや超硬樹脂用リーマは、今回、新製品として、会場で初お目見えとなった。
「市場に既に出回っているものの、コロナ禍による制約で、アピールは十分ではなかった。この点、リアル展示会の良さをすぐに体感できたのがショート刃需要に対応したテーパピンリーマ(ドリル)で、見積もり依頼が早速、入った。短いピンに対応したショートサイズで、50分の1テーパピン穴加工専用リーマとした加工用(ドリル)をラインナップした」。
需要を占い、刺激する手立てとして、参考出展は有効であり、リーマの分野から今回は2点披露された。
「サイクルタイムの削減に向けた超高速加工用、もうひとつは耐熱合金などの難削材加工用となる。来場者に対し、テスト加工依頼を提案したところ、様々な案件を頂くなど、手応えを感じた次第だ」。
2023年は、新製品、参考出展品ともに、リアルな反応、評価を得る機会が確実に増えてくる。
「3月には台湾・TIMTOSと広島・府中でマルヨシさん主催のAFTER JIMTOF、6月は長野・国興展と機械要素技術展(東京)、そして10月にはメカトロテックに出展する。リアル展示会が一気に芽吹いていく勢いにあり、活用しない手はない」。
リアル展示会という括りでは、コロナ禍前の状況に戻りつつあると言えようか。
ところで、製造における課題は、どのように設定しているのだろうか。
「人材教育を追求していく上での製販を意識した発想だが、現場に据えられている設備に見合った受注ができているかどうか。設備は人材によって活かされる。どのように人を育てれば顧客に愛される現場が実現できるのだろうかと最近はよく思う」。
昨年も設備の新規導入が図られた。
「9月には生産の増強を図るため、ワルター製ヘリトロニックダイヤモンド、11月末には新たな仕事を受注していくためにANCAのFX7をそれぞれ導入し、稼働スタートさせている」。
今期は売り上げベースで前期比7%~8%増を目標に据えているが「現時点までは計画通りに推移している」。
リアルの良さがどのように結実してくるか、注視していきたいと思う。
JIMTOFではリアルの良さを嚙み締めた
新製品を不特定多数の人に訴えられる貴重な機会となった