地域有力ディーラー主催によるプライベートショーに積極出展。製造関連では「原価意識高揚」する栄工舎

株式会社栄工舎

株式会社栄工舎

越智社長

5月から新たな期がスタートした栄工舎を訪問し、越智社長に面談を申し込んだ。


 栄工舎のカッターの社内貢献度が前期から高まってきている(本紙4月号参照)。
 「原点を辿っていくと、キーシードカッターやアンギュラカッターに行き着く。お客さんによっては『リーマもやっているの?』と言われることもあり、カッターの認知度は決して低くはなかった」のは事実だろう。
 特にコロナ禍前からの用途別ミニカッタ―シリーズが好調に推移して「本数ベースでは、ハイスの比率が高いリーマが上回っているものの、金額ベースでは、ほぼ互角というレベル」に至っている。
 先行きが読めない状況にあって、この間、注力しているのが、地域に根差した有力ディーラー主催の、プライベートショ―への出展だ。
 「常に仕掛けていく、数少ない有力な機会であり、当社と紐づいている来場者も増加傾向にあるだけに、出展企業に組み入れられれば、必ず、予定している」。
 直近の開催地を取り上げても、長野、京都、静岡・・・とエリアは広域で、地場の需要がストレートに反映するだけに、多様なニーズが汲み取れるメリットは大きいだろう。
 「ただ、仕事量は厳しいようで、次なる高揚に備えた情報収集という、側面が強い。当社では、サイクルタイムの大幅削減を可能とする、超硬フラッシュリーマ(アルミ・鋼加工用)をはじめ、高硬度用、アルミ用、樹脂用の各用途別リーマのほか、先に触れたミニカッタ―シリーズの訴求に力を割いている」。
 新製品を含むリーマとカッターがアピールポイントには違いないが、ドリルやエンドミルなどの工具種も無視できず「たとえば生産性アップに関わる、送りを上げていくニーズへの対応として、ドリルを提案していく機会も少なからず、ある」。
 製造面では、新潟工場内で「原価意識が芽生え始めており、設備が果たす精度やスピードへの評価、関心が高まっている」ばかりか「人手不足への対応として、宇都宮製作所製TGR‐250αのオートローダー付きを発注、年内までの導入を予定している」。
 最後に、顧客からの要望への対応強化として、5月には、渡部製造部長が東京に異動し、営業技術部長として、様々なニーズに応えている。その声を拾い上げると「とにかく、色んなテーマで、問い合わせが殺到する毎日。加工で困っている事例の多さに、改めて驚きつつも、どういった工具形状が望ましいか、イメージを膨らませている」。