コロナウイルス感染回避で動画撮影による立ち合い実施やオンライン活用したNCスクール追求する牧野フライス精機
コレット自動検査(左)とパレット自動組み立装置
- 新型コロナウイルスの終息が見通せないまま、東京オリンピック・パラリンピック初の延期が発表され、4月に突入した。日常的にも不要不急の外出の自粛ほか、様々なレベルで影響を受けるなか、牧野フライス精機の活動内容を点検するとともに、2020年度はどのような活動を展望するのか。清水社長にメールのやり取りを通じて紙面化した。
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- 2018年度までは、工具業界の「高原状態」から派生する需要を含め、設備投資は活況を呈していた。
- 「2019年度に入ると、市況の落ち着きを考慮し、工具研削盤を効率良く活用していくための技術習得の機会と捉え、砥石や測定装置、超硬母材メーカーとのコラボレーションを追求した。工具研削セミナーの開催やお客様のスキルアップに貢献できる活動に努めてきたのも、その一環だ」。
- ニーズとしては、超高精度工具の量産やワークの搬送、工具測定といった各種自動化への声が高まってきていると言う。顧客の競争力強化や効率化、人手不足対応が根底にあるのだろう。では、2020年度は何に重点を置くのか。
- 「現状ではコロナウイルス感染回避のためにも、多くのお客様は、社員様の移動を極力控えたいと思われておられるかと。当社としては動画撮影による立会の実施やオンラインを活用したNCスクールなど、来社されなくとも問題ないよう、様々な形を模索していきたいと考えている。社内会議のオンライン化への取り組みやサービス人員の増強といったサービス強化にも努めている」。
- 製造における自動化、無人化への取り組みでは「パレット組み立てやコレット検査の自動化などをすでに実施しているが、今後は、部品の搬送でもトライしていきたい」。
- 現時点(3月31日)で、コロナウイルスの影響はどうか。
- 「特に目立つのは、海外新規案件。停滞傾向が続いている。既存案件についても、お客様による立ち会いができないケースが出てきている。2020年度は、コロナウイルスの終息が不透明であり、展望が読み切れないと言うのが正直なところ。ただ、実需がかなりあると考えられるので、終息後の立ち上がりは早く、しかも、需要がいっきに拡大することが予想される。希望納期への対応に極力応えられるようにしていきたい」。
砥石や測定機器、超硬母材メーカーとのコラボレーションも追求している