カメラの鏡筒加工で優位性発揮する藤光(青森県・北津軽郡)
ユキワ精工製スーパーG1チャックでタップ加工では工具寿命が従来比2倍以上

株式会社藤光

株式会社藤光

ロボドリルの前でスーパーG1チャックを手にする菅野社長

1981年に創業の地である「藤崎」を冠して藤崎光機としてスタートした。「光」は光学、屋台骨を成すカメラの「光学」に由来する。
3代目となる菅野洋平社長は「今でもカメラレンズの鏡筒の加工がメイン。レンズが複数枚入ることから軽さが求められ、デジタルカメラになってから鏡筒の外装にはマグネシウムの活用頻度が高まってきた」と語る。
今ではアルミ20%、マグネシウムが80%の比率だそうで、県外7社の光学メーカーと直取引している。
鏡筒以外ではモータ部品を取り扱う。
「鏡筒の加工のポイントは、ズームの滑らかさの実現。被写体を一瞬で切り取っていくために、真円度と面精度双方の高精度加工が徹底して求められる」ほか「取り扱いの難しいマグネシウム合金加工で差別化するとともに、防錆処理でも優位性を発揮。弊社では黒色の化成処理を採用し、無塗装で黒色にしている」。
キーワードを並べれば「真円度加工」「マグネシウム加工」「黒色の化成処理」となる。
1ロットは、月産平均2000個。なかには50個~100個の場合も。種類は多ければ、30種類を数えるそうだ。
「私は20年前に入社したが、マシニングセンタの活用を図るようになったのも、その辺りからだった。17年前よりデジタル一眼レフカメラブームが訪れ、量的には家電製品並みに拡大。併せて形状精度を含め、加工の難易度もかなり上がってきた」。
スマートフォンのカメラ機能の「高度化」に伴って、カメラメーカーも高級化シフトを辿って来たと言う。
ユキワ精工との出会いは円テーブルで、ツーリングはコロナ禍前の2017年からになる。
「営業の方からツーリングの提案を頂いた。弊社はこれまで他社製を活用していたが、在庫がない場合があって、その時、スーパーG1チャックを注文した。小径の穴加工で、しかも、深さがある、H7レベルの穴あけ公差と高い穴精度と面精度が求められる加工だったが、難なくクリアした」。
「タップ加工では、ヘリカル加工でねじを切っているが、スーパーG1チャックを使えば、ネジ山がきれいに仕上がる。また、工具交換頻度も減って来て、工具寿命が従来比2倍以上もっている」。
現場ではスーパーG1チャックが総数で7本活用されている。
「精度確保と工具コストの削減に寄与していると思う。ただ、弊社では、ツーリングのキャップにこだわりを持っており、切削油が飛散しないよう、操作性をもっと簡略にして頂ければと思っている」との要望が挙がった。

マグネシウム加工がポイント
マグネシウム加工がポイント