スーパーG1チャックを装填。ロボドリルで5μの世界を難なくクリアした志村精機製作所。5年前から微細加工分野に進出
志村社長は、スーパーG1チャックを手に取って、精度向上と時間短縮というメリットを強調した
- 今年1月から4人の役員が「総入れ替え」され、4代目として志村哲央(のりお)社長が誕生した志村精機製作所を訪問した。
- 「昨年は会社が創業55周年を迎え、また、私自身もちょうど入社20年を終えてのトップ就任という『記憶しやすい』タイミングでの交代となった」と笑みをこぼす。
- 東京・大田区で切削加工一筋に歩んできた。祖父が創業し、哲央社長の父の兄、そして父という、親族で切り盛りしてきた。
- 「平成元年に父が社長に就くと、新たに手がけ始めた樹脂加工分野を拡大することになり、本社工場に加え、新たに千葉工場の建設に着手。切削加工の拠点工場として、運営するようになっていった」そうだ。
- 事務機器やカメラ部品、半導体関連部品のほか「リーマンショック後」を展望、模索する試みとして、5年前から医療機器関連やロボットのアーム部など「微細加工」の領域に進出。 「従来の穴加工や外径加工レベル、50μ~100μから、5μ~10μという、単位が一桁違う世界に突入した。医療関連部品は、試作・開発がメインのため、量こそ出ないものの単価が良く、また、当社の技術水準を高めてくれるメリットもある」。
- 機械要素技術展や本社のある大田区・Pioでの展示会にサンプルを出展し、「ここまでできるのなら」との評価を受けながら、大手メーカーの仕事を受注する機会として活かしてきた。
- 「微細加工分野は技術を必要とし、これからの日本のものづくりを支えていく領域でもある。協力できる企業や市場開拓を意識して、国内ばかりか、時計業界で一歩先んじるスイスを訪問、視察したりする」と言う。
- 千葉工場内で最も多い設備は、ファナックのロボドリルで、他にオークマ、キタムラ機械のマシニングセンタ、ファナックの5軸加工機東京本社には牧野フライス製作所iQ300といった微細加工機や5軸加工機が導入されている。
- ユキワ製スーパーG1チャックとの出会いは、およそ3年前、千葉工場内で効率化の推進が課題になっていたときだったそうだ。
- 「地元の取引商社にチャックで相談したところ、薦められ、ロボドリルに装填して、1本試してみた」のがきっかけだった。
- 他の条件は同じ、チャックを代えただけで、苦労していた10μどころか、5μの世界が一挙に拓けたと言う。
- 3年前の1本から今では50本近くに
- 「このスーパーG1チャックは人を選ばない。毎回、行っていた芯ずれの確認や工具交換に費やしていた時間(30分以上)が不要になったり、相当短縮することができた。また、ビビリが抑制され良好な仕上がり面が得られる。言わば、当社の現場では精度アップと時間短縮のメリットが享受でき、結果、今では東京本社社工場と合わせて50本近くスーパーG1チャックを活用するまでになっている」。
- また、ロボドリルではユキワ製のグリーンチャックも活用され「荒加工で切削条件が上げられる効果」も実感しているそうだ。
- 志村精機製作所は、66人で年商8億円を叩き出す。
- 「売り上げそのものは、ほぼ横ばいでキープしているが、微細の世界を標榜するようになって、利益率が高まってきた」。
- 決算は6月。今期の結果がもうすぐ出る。
ロボドリルが30台近く設備されている千葉工場