Web会議で海外が身近に 栄工舎 景況は9月末から徐々に回復
安部川社長
- 栄工舎の安部川社長、佐々木営業部長を訪問し「需要の変化」を中心にヒアリングを行った。
- ◆
- 仕事量の減少、後継者の不在・・・「ハイス需要が落ちてきた要因に、廃業による町工場の減少を挙げることができる」。
- 栄工舎本社のある大田区・蒲田のみならず、全国ベースで、ものづくりの中小企業は減少を辿ってきている。
- 「町工場の絶対数ばかりか、活躍する汎用機の稼働率が下がっているとも言えるだろうか」。
- 栄工舎で7割を占めるリーマも、ハイスから超硬化の流れは、着実に進行している。
- 「足元の需要で判断すれば、9月末から少しずつ勢いが戻ってきつつあり、定期ものの回復ばかりか、量的には特殊ものが増えてきた」。
- 栄工舎にとっては6月、7月が景気の「底」だったようだ。
- コロナ禍のもとでWeb会議が増え、特に海外の顧客とのやり取りは、いっきに拡大しており「台湾、タイ、メキシコ、デンマーク等・・・逆に海外を身近に感じるようになってくるほど。アピールしている製品の動画の充実や関連資料を求める声も強まってきている」ほか「講習会の開催ニーズも高まってきている」と言う。
- もちろん、社内的にもWeb会議が増え「営業会議はじめ、開発に向けた打ち合わせも、随時、行っていけることから、特殊品や新製品を形にしていく議論にも熱が高まってきている」。
- 作業の効率化と言う点では「ハイスから超硬への切り替え需要の拡大に対応し、溝と刃付けの工程を分け、効率化を狙っていきたい。設備はともに牧野フライス精機製の、前者はV3、後者はCN3を導入していくことになる。来年の1月までには二機種とも現場に据えられると思う」。
- 10月に入ってからは特殊ものの注文がさらに拡大し「発注を抑えていたユーザーから『ラインが止まりそうなので、ご協力を!』といった声も挙がった」。
- Web会議はじめ、デジタルツールの活用は、従来の顧客との関係を深めるのに一役買っており、新たな「ノーマル」になりつつあるが、新規獲得では自ずと限界がある。
- 「訪問を制限する、コロナを意識せざるを得ない状況は、当分は続いていくだろう。当社では、インスタグラムの活用やホームページを通じて情報更新の頻度を上げながら、QRコードから動画に移動するような、現場に即した内容の提供に努めていきたいと考えている」。
- 栄工舎では「マスコットキャラクター」を公募していると言う。そして決定すれば、3Dプリンタを駆使して出力。栄工舎のイメージの定着に期待したい。