超々微粒の新素材「CTU13L」を提案するセラティジットジャパン。HRC72レベルの高硬度金型用エンドミルがターゲット
馬場社長を囲んで右が山口さん、左が井上さん
セラティジット・ジャパンも上半期を終え、後半戦に突入した。
馬場社長は「超硬丸棒素材が10%以上、木工・石工分野が4%~5%と、それぞれ前年上半期比で伸長し、耐摩・金型関連や切削工具部門のマイナス分を補完。全体として、計画予算通りに推移している」と語る。
伸長分野の要因について、超硬丸棒素材は、大手ユーザーからの数量ベースでの拡大、航空機需要の立ち上がりが大きく貢献し、木工・石工関連はコロナ禍からのリバウンドの解消、円安による輸出の正常化が見逃せないと言う。
組織強化の上で、マンパワー増強は欠かせないが、お邪魔した10月初めには、9月1日付で営業部長として着任した山口耕平さんを紹介された。当面は、切削工具部門であるコメートの建て直しに着手し、その後合金素材の営業強化を進める予定だという。
「最大8Dまでの深穴加工が可能な刃先交換式のKUBセントロンやマシニングセンタに旋削機能を付加するU軸のユーザー訪問の機会を得た」ことを踏まえつつ「繋がりを強固にし、確実なリピーターになって頂けるよう、トレーニングを積みながら、新たな需要の発掘にもチャレンジしていきたい。特にU軸はメンテナンスを含めた対応を少しずつでもいいから強化していければと思っている」との抱負を語る。横浜市の出身で、これまで外資系企業を複数経験している。
馬場社長によると「次世代を承継していく人材は今後も募集していく」と言う。
開幕迫るJIMTOFで、超硬丸棒素材とコメート製品については、5月に入社した、長年にわたって、工具業界で研鑽を積んできた井上さんから説明を受けた。
「HRC72レベルの高硬度金型加工用エンドミルに向けてリリースする、超々微粒の新材種『CTU13L』を提案する。弊社の従来製品に比べ、ワンランク上の硬さを有し、高シリコン含有のアルミや炭素繊維複合材料、グラファイトにも対応可能なエンドミル製造用としてアピールしていく考えだ」。
一方、コメート製品については「大径、長尺ドリル、リーマ、U軸」を掲げた。
「先に山口が少し触れた刃先交換式ドリル、KUBセントロンの認知度を上げていきたい。金型のスライド部の加工を視野に入れている。φ50・7D、φ80・8Dといった大径・深穴仕様を駆使して、高精度に、安定して加工ができるメリットを広めていければと思う」。
ほかにインサートがセントロンと同じ「KUBトライゴン」、日本市場でもユーザーを獲得している高精度リーマ「REAMAX」を披露していく計画だ。
最後に馬場社長は「超硬丸棒の関連で触れさせていただくと、CBセラティジット製品出展(4つ穴・ヘリカル等)はコロナ禍明け初となる」とJIMTOF出展製品を補足し「中国、オーストリアの両拠点工場は、最新設備を導入し、工場の増強に注力している」「アジアパシフィックという、流通センター構想を含めて、それ自体で完結できる体制の構築を追求している」というニュースを織り込んだ。