切削工具部門の営業拡充 3月から専業のスタッフ入社したセラティジットジャパン

株式会社CERATIZIT Japan

株式会社CERATIZIT Japan

切削工具販売で期待かかる内海さん

前期は「想定外の」急激な景気回復によって、計画を上回る年商10億円を突破したセラティジットジャパン。
 馬場社長は「収束の兆しが見えないコロナ禍における好業績は、まさにお客様からの支援を頂いているおかげ。感謝の言葉しかない」との顧客へのメッセージを送る。
 3月から新たな期に入り、1クォーターが経過する「滑り出し」の状況はどうだろうか。
 「目下、滑り出しの売り上げ状況は、極めて順調で、3月、4月は大台を突破し、ジャパン設立以来、単月での売り上げは過去最高レベル。とは言え、この業績は、昨秋以降、欧州工場の納期長期化を踏まえ、お客様から前倒しの注文を頂いたことが寄与した結果であり、納期の長期化が改善されない以上、今後の見通しは不透明と言わざるを得ない」と語る。
 残念ではあるが、混沌の度は、ロシアによるウクライナ侵攻により、さらに深まりを見せている。
 「難民の発生など、近隣各国への影響も広がり、予断を許さない状況にあって、欧州のインフレ率が相変わらず高く、諸物価の高騰を招いて、弊社製品も昨年に引き続き、今年も再び価格改定のお願いをすることになった」と語る一方「弊社の在庫状況は、製品によって違いがあり、丸棒素材は比較的安定しているものの、木工用や石材チップは遅延や欠品が続いている状況にある」と解説する。
 コメートグループの吸収合併後、1年半が経過した。切削工具事業の現状はどうなっているのだろう。
 「今期の販売目標1億円が達成できるよう尽力中。この間、欧州本社では、コメート製品群を盛り込んだ、最新の総合カタログがすでに完成しており、遅ればせながら、日本でも、すべてのお客様に配布し、最新の商品メニューをわかりやすくご案内させて頂いている」。
 トピックス的な話題では、切削工具事業部の将来を見据えて、3月1日付で営業を担当する内海貴博さんが入社していることだろう。
 前職は、工具商社に16年間在籍し、日本と海外(北米、メキシコ)で、切り口は異なるが、工具にも携わってきた。
 「入社からおよそ2カ月余、超硬素材やコメート製工具のドイツ本部への手配などに関わるなか、日本製工具にはない特徴に驚いたり、海外への発注や納期管理における日本企業との違いに新鮮さを感じるなど、日々、これまでにない体験をさせてもらっている。最近では顧客の現場にも時折、上司と同行するようになってきた」。
 40歳代に突入したばかりであり、これから脂がのってくる世代でもある。
 今年は4年ぶりとなるリアルなJIMTOF開催が計画されている。
 「お客様から頂戴する、ご要望を最優先課題としつつも、JIMTOF会場では、セラティジットとしてのメッセージを打ち出すべく準備を進めている。今後、企業が避けて通れない脱炭素社会への責任の一助となる新素材情報に乞うご期待」と馬場社長は訴えた。