超硬ミクロンホブの「草分け」伊澤技術研究所訪問。素材はセラ製が最多

株式會社伊澤技術研究所

株式會社伊澤技術研究所

伊澤社長(右)と中島工場長

 

  •  超硬主体のホブカッターで実績を積み上げる伊澤技術研究所を訪問した。

 

  •  伊澤鑑順社長は「外径40ミリ以下の小型ホブがメイン。モーターやおもちゃなど、小径の歯切り加工を要する産業分野、すべてが対象となる。入念な仕様打ち合わせのもと、すべて受注生産で、月間、200個~350個というボリュームになる」と説明する。
  •  昭和37年に設立され、超硬の「ミクロンホブ」の草分けと言われる。
  •  「昨夏から受注量が増え始め、現時点で納期は3か月。即納体制をいかに確立していくか。その意味で生産性向上が避けて通れないテーマになっている」そうだ。
  •  因みに2016年は15年比1割増、昨年、2017年は同3割増と、受注量が目に見えて拡大を辿ってきた。
  •  2016年夏に新工場を完成させ、これまでの「狭隘化」を解消するとともに、作業スペースを拡大させていくことで効率化を狙った。
  •  「口コミや紹介によって、顧客が増えてきた。名古屋以東のお客様が多く、200社以上になる。求められる精度は+-2ミクロン以内。付加価値を出す仕上げ工程では、自社で製作した機械で行う。創業当時から、工業規格より厳しい社内規格を作って適用してきている」。

 

  •  工程の流れを見ると、超硬の黒皮素材をまずは内径研磨して端面、ボス(ハブ)、刃溝、そして歯型の研磨へと仕上げていくことになる。
  •  「少量多品種の生産体制を整え、1個からの注文にも応えてきている」そうだ。
  •  セラティジットジャパンとの出会いは、3回前のJIMTОFになると言う。
  •  「当社で製作するホブカッターを出展、アピールしていたとき、同様に出展していたセラティジットと知り合いになったのが始まり。見積もりを出していただき、従来から付き合いのあった他社とコストを比較。値段について再考をお願いし、再提示いただいたが、大差がなかった。その時、後の値引きを想定した価格ではなく、はじめから良心的な価格を提示されていた事に信頼感を覚え、『この人と一緒に仕事がしたい』と思った」と言う。
  •  その人とは、ジャパンの代表を務める馬場社長だった。顧客のニーズに対応していくことを第一に配慮。決して客先に「買って欲しい」と言わないことで業界では「有名」な人物だ。
  •  「素材メーカーは5社ほど、付き合いがあるが、ホブカッターでは、今ではセラティジットが一番、多くなっている。耐久性等、当社のユーザー評価が従来よりも高まった面もある。『取り代をもっと少なく』との要求にも機敏に対応してくれた。素材の寸法公差は、群を抜いている」との感想を伊澤社長は語る。
  •  社長以下、総勢21人。高い精度が要求される小型歯車の世界で、「ミクロンホブ」を標榜する伊澤技術研究所のトータルな技術力に今後、注視していきたい。

 

工場内の様子

工場内の様子

 

手がけている製品例

手がけている製品例

 

新工場稼働によって狭隘化解消と効率化が図られた

新工場稼働によって狭隘化解消と効率化が図られた