新たなソフトウエア「Tool Creator®」を提案する牧野フラス精機
国内市場は横ばいも、新製品DB1は好調な立ち上がり
Tool Creator®をアピールする清水社長
牧野フライス精機の清水社長を訪問し、今期前半の動向を紐解いてもらいながら、最近の工具業界からのニーズや目前に迫ったJIMTOFでの提案等について、広報担当者も交え、取材を行った。
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4月~9月の今期前半について清水社長は「国内市場は依然、横ばいを辿っているものの、海外工場向けの受注が発生しており、全体としては繁忙感がある」との手応えを述べながら「我々の業界ばかりか、分野を問わず、コスト増が継続し、原価を圧迫し続けていると思う。価格転嫁という選択肢もあるかと思うが、弊社では生産性を向上させ、自社内で吸収できるよう努めている」との、コスト増への対応を語る。
受注状況を機種別で見ると、AGE30FX、SG10が継続して柱を成しているが、前者は国内、後者は海外で、それぞれの強みを発揮していると言う。
「両機種に搭載可能な内蔵型マイクロビジョンシステム『monocam2』の搭載率が徐々に増えてきており、期待の高まりを日々、実感している。高精度カメラと最新の画像認識技術によって、工具のオイルホール位相検出や芯厚などの測定が可能なばかりか、ドリルの先端刃先のホーニング加工にも対応可能で、JIMTOFでも、両機種に搭載し、加工のご提案をさせて頂く。弊社にとって、継続してアピールしていきたい有力ツールだ」。
このほか、JIMTOF初出展のDB1も登場する。
「昨年のメカトロテックでデビューした極小径工具研削盤DB1。工具の面粗度がきれいで、加工の安定性、省スペースと言う点でも評価に繋がってきた。極小径(ロング)ドリルで必要となる、ワークの振れ、たわみを抑制し、安定した加工を実現する『刃部押さえ』も準備した。国内を主体に引き続き浸透を目指しており、ブースでは、エアーで動きを見て頂ければ」と訴える。
また、ソフトウエア関連で注目したいのが、第三世代とされる「Tool Creator®」だ。
「視認性と操作性を向上させた新型操作盤のほか、対話方式による操作、図面データ読み込み機能等を備える。また、3Dシミュレーション時間の短縮や機械状態監視機能(MONITORIST)により補正値の管理や予防保全に活用も可能」。
来場者には、感覚的に理解できるよう、Tool Creator®の体験コーナーを設けるそうだ。
内蔵型マイクロビジョンシステムmonocam2