牧野フライス精機から段研用円筒研削盤リリース、立型が大きな特徴に
TADの開発者中里リーダ
- 2017年は「上昇」を予想する、牧野フライス精機から、円筒素材の段研用立形円筒研削盤がリリースされた。立形という特徴は工具研削盤メーカー初であり、製品名「TAD」(立形の段研)の由来にもなっている。 清水大介社長は「ニーズを汲んで、2015年の春から開発に着手。差別化のポイントは、まさに立形にある」と語る。
- 開発に当たった中里俊彦リーダは「省スペース、接近性、視認性、たわみのないワークの安定性・・・と立形のメリットは数多い。回転軸がなく、直動のみの構成も機械のバランスの良さに通じる」。
- 粗と仕上げがほぼ同時に立ち上がり、進行する。スピードと同時に精度面でも高水準を実現する円筒研削盤と言えようか。
- 「ワークヘッドやローダへの研削液の飛散に配慮して、手で自由に収納できる研削室内カバーを設けたことも特長に挙げたい。実際、開発にあって、非常にこだわった点の一つである」とは、中里リーダの弁だ。
- ビルトインモータを採用し、標準で3000回転。シャンク径20ミリ、研削径20ミリ、ワーク全長で200ミリと、それぞれ対応する。
- また、自動化提案では、内蔵型のローダを搭載しており、最大で182本の収納が可能。長時間の無人運転を約束する。ワーク交換時間はおよそ11秒と言う。
- 工具メーカーはもちろん、素材メーカーもターゲットになる。6月1日から発売開始され、ローダ込みで標準価格が3250万円。
- 牧野フライス精機の置かれた状況として、2016年度は、設備一巡から対前年度で若干の減少を見たと言うが、清水社長は「投資意欲は、まだまだ、高いと見込んでいる。AGE30、MG30が売れ筋の中心機種だが、JIMTOFで発表した、測定ツール『prоcam』や小径用にリリースしたSS7の市場浸透を図っていく楽しみがある。すでにSS7は、予想以上に海外での動きが良い」そうだ。
- 生産の主力工場に位置付ける新工場は、いよいよ、9月から稼働スタート、従来比1・5倍の生産能力を実践していく「舞台装置」が現在、佳境を迎えている。
TADの内部構造
躯体が完了した第二工場で清水社長を撮影
生産の主力を担う新工場も工事が佳境を迎えている