石川工具研磨製作所が「複合式特殊工具」で新たな提案 穴あけ、面取り・裏面取り、側面・・・複数工程担い、」時短に貢献 GTJで初披露

石川工具研磨製作所

石川工具研磨製作所

石川社長

台北で開催されていたTIMTOS等の訪問、視察を経て、3月5日から千葉・幕張メッセで開幕したグラインディングテクノロジージャパン(GTJ)に移動した石川社長を出展ブースに訪ねた。

 石川工具研磨製作所は、有力再研磨メーカーを挙げてみて、との問いに必ず名指しされる実力派。規模感ばかりではない。顧客の加工現場に見合った刃型の再修正や改造、ニーズに対応した特殊工具の提供といった、技術レベルも考慮してのことだ。
 石川社長は「弊社ができることを知って頂き、お役に立てる機会を増やしていきたい。昨年のJIMTOFに続く、今回のGTJ出展の狙いもここにある」。
 5軸加工の能力を引き出していく特殊工具のアピールや超硬ドリルのホーニングのCNC化といった従来からの提案に加え、今回、新たに「複合式特殊工具」の見本を披露し、その優位性について、来場者に向けて発信した。
 「穴あけ、面取り、裏面取り、側面と、複数の工程を担い、時間短縮に寄与していければと思う。また、別の視点で捉えれば、残業時間を少しでも減らして、働き方改革にも貢献できればとの考えもある」。
 GTJでの「複合式工具」の来場者の反応については「初めて見た」や「面白いアイデア」「ぜひ使ってみたい」などの前向きな反応が多くを占めたと言う。
 2024年は、自動車関連業界の動きが鈍かったことを受け、新規開拓に注力した。
 「ターゲットを絞り、いかにアピールしていくか。新規開拓は引き続き展開していくことになる」としつつも「弊社にとっても働き方改革は、人への対応の変化をもたらしており、研削盤の自動機へのリプレースによる効率化を視野に入れ、現在、設備導入の計画を立てている。再研磨に留まらず、再製作、改造等への対応はもちろん、ニーズを踏まえた特殊工具で差別化していくうえでも、スタッフの教育とセットで設備は重要な要素となる」。
 現在、55人体制だが、4月からは新入社員2名迎え入れる。
 「今年は、業界にとっても、アメリカのトランプ大統領の政策を注視していく必要がある。特に日本からの自動車の輸入関税が10倍の25%に跳ね上がるとなると、国内の生産体制に影響が出ざるを得ないのではないか。再研磨事業としても、見通しは更に不透明になってくるだろう」。
 石川工具研磨製作所は現在、再研磨の比率は約7割で、残りは製造工具。再研磨で省資源化、特殊工具で短納期化を図っていくことで、環境とヒトへの優しさを追求していくことになる。


複合式特殊工具の提案