微細加工で差別化する信栄テクノ(東京・大田区)の頼もしきパートナー、碌々産業のAdroid
高橋社長が次代を見据えて、 微細・深穴加工のパートナーに選んだのが 碌々産業のAndroidだ
- シャープペンシルの芯(Φ0・5ミリ)にΦ0・03ミリ(Φ30μm)の穴を500カ所あける‐信栄テクノによる超微細な加工技術の世界だ。 1953年に歯車関連の切削加工業で創業したと言う。
- 3代目となる髙橋健太社長は「2000年辺りから微細加工分野の事業化に着手した。形状を含めた精密穴あけ加工業を標榜しているが、プラント関係の計器類、流量計などの精密部品は、今も手掛けており、最終的な産業を列挙すれば、半導体、電子機器、分析機器、医療機械・・・など幅広い」。
- 微細加工の領域に踏み込んだのは、髙橋社長が入社する、2000年辺りからで、設備では、従来からの汎用旋盤や30番主軸のマシニングに加え、微細加工機として浸透し始めた碌々産業の「MEGA」に着目、導入を決めたと言う。
- 「小径穴加工でトライアルしていた段階であり、2005年からΦ0・1以下の工具を使用し、穴加工でΦ0・01ミリから、溝加工でもΦ0・01ミリという領域に挑んでいった」。被削材は、樹脂や金属をはじめ、ガラスなどの脆性材にも取り組み、樹脂や金属は最小幅10μm~、脆性材は30μm~の加工を可能にしている。
- また、2013年からは、深穴加工の限界にも挑戦するようになり、たとえば、ガラス球にΦ0・3ミリ深さ60ミリ(L/D=200)、Φ0・2ミリ深さ40ミリ(L/D=200)、Φ0・15ミリ深さ30ミリ(L/D=200)‐の穴あけに成功を収めている。
- 試作・研究開発分野を含めて、100社以上の顧客と取引があるが「地元大田区・Pioや難加工展といった展示会にサンプル出展し、技術力をアピール。来場者と膝を交えながら、受注に繋げており、毎年1点ずつ、新しいサンプル作りに励んでいる」成果が実を結んでいる。
- 微細精密加工分野における、信栄テクノの「微細・深穴」のパートナーとも呼べる碌々産業の設備は、現在MEGAが3台設備されているが、2年前には「MEGAの実績を踏まえつつ、6万回転という高回転、これに伴う小径工具の活用や、更なる高精度、面品位の向上、さらに美観にも魅了されて」Androidが導入された。
- 「1日の稼働時間は8時間~10時間。1ロット10個以下が基本。最初の1年間を機械の『洗い出し』に神経を集中した。ミクロン単位の要望や自動化できない領域の加工も多いが、長時間稼働させても、熱変位対策や機械の追従性に優れている」ばかりか「主軸の振れ精度は抜群」(Androidのオペレーター)との評価を下す。
- 信用・信頼を得てともに栄え‐信栄テクノの社名の由来。この理念にブレはない。
20年前に信栄テクノの「微細加工」の扉が開かれ、碌々製MEGAが導入された
ガラス球に超微細な深穴加工が施されている