ユキワ精工ツーリングユーザー訪問、菅野精機(青森県・黒石市)。ビビリが少なく、穴精度が向上し、加工が安定化したほか「工具寿命1割アップ」。

菅野精機株式会社

菅野精機株式会社

菅野社長

カメラレンズの鏡筒に代表される光学部品加工が9割以上を占めると言う菅野精機を訪問した。
 3代目となる菅野社長は「1951年に東京・蒲田で個人創業したした時点から、光学系の加工をメインで手がけてきており、その後、川崎への移転を経て、カメラの交換レンズの仕事を手がけるお客様からの依頼を請けて青森工場を建設、現在に至っている」との変遷を語ってくれた。
 カメラレンズは今では、ほとんどがプロの方からのニーズを踏まえた、望遠レンズなどの仕様も多いと言う。
 取引企業は5社がメイン。1ロットは平均すると500個/月だが、1個~4000個というレンジに対応している。
 「被削材は、アルミ材が中心で、片肉1・5ミリくらいの薄物加工が多く、求められる精度は5μmから10μmレベル。特に弊社はカム溝加工を得意とする。受注して、納品までは約1カ月。3カ月から6カ月先までは、計画に組み入れられ、その間に材料手配を行う。受注を大きく分けると小ロットと量産の2つの流れがある」。
 直近のコロナ禍では、当初の半年間は仕事がほぼゼロになったそうだが「半年後には急回復し、前年を超える水準に達した後、通常の仕事量に戻った」と言う。
 ユキワ精工との出会いは、およそ10年前になるが、円テーブルの納期で困っていたとき、商社の紹介を通じて知遇を得たようだ。
 「ツーリングについては、トライ用として10年以上前にスーパーG1チャック手にした。従来に比べ、ビビリが少なく、穴精度が向上し、何よりも加工が安定した記憶がある」。
 その後、7、8年くらい前から、少しずつ、スーパーG1チャックを導入していき、今では20本近くになってる。
 オペレーターの福士主任は「当社のメインマシニングセンタであるロボドリルに20本近く装着するまでになっており、ツーリングの3分の1はユキワ精工で占める」とスーパーG1チャックの使用頻度の高まりに触れつつ「ロボドリルは平均して、2直16時間稼働。工具が長持ちすることを実感する。感覚的に言えば1割くらいは節約できているように思う」との具体的なメリットにも触れてくれた。
 最近のツーリング事情としては、ユキワ精工にシフトしており、「精度が厳しい、重要な加工には、スーパーG1チャックを基準とし、差別化するようになっている」と副士主任は語った。


オペレーターの福士主任


加工サンプル例