ドリルホーニング加工機を提案する菱高精機。JIMTOFの場でも意見を集約し、来年中の販売目指す
JIMTOFでは、ホーニングマシンが登場する。ブースでお待ちしております、と挨拶する町田専務(左)と川原センター長
工具による穴あけ、研磨機による再研磨の「両輪」で、切削加工分野の進展に寄与する菱高精機。今回のJIMTOFでの見どころは何か。久保田部長に工具、山下部長に研磨機、それぞれの部門のヒアリングを行った。
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工具は「穴加工なら菱高精機」を掲げる。
久保田部長は「従来はカッタやエンドミルのイメージが強かったと思うが、今回、力を入れているのがドリルであり、特にマシニングセンタを活用した深穴加工ドリルや高硬度加工用ドリルを中心に提案していく考えだ。
「マシニングセンタ用深穴加工ドリルは、φ16~φ29までをラインナップし、総全長800L程度までをカバー。切刃・ガイド交換式でノッチ型形状。10月から生産をスタートさせた。NC旋盤でも使用可能だ」。
「高硬度加工用ドリルは、文字通り、高硬度材などの穴あけに最適で、受注生産となるが、φ3~製造可能。耐熱系コーティングの採用、切刃形状の最適化等によって、耐摩耗性、耐欠損性を大幅に向上させている。また、小径用にも対応し、φ0・5~φ3・0まで製造できる」。
このほかタップの新製品「T‐KOCHI TAP」、ワークや工作機械内部の清掃を行う「Titan」も要チャックだろう。
一方、研磨部門からは5軸CNC工具研削盤「イプシロン」や画像工具測定器「ジャストスコープRX」に加え、参考出展でCNCドリルホーニング加工専用機を披露する。
山下部長は「超硬ドリルの刃先のホーニングは、未だ手作業で対応していることが多い」現状を踏まえ「人の手によるバラツキ、技術習得の困難さ、複雑な刃型形状への対応といった課題に対し、高精度に、完全自動化を目的に開発を行った」と、その背景を語る。
搭載された2基の5Kカメラ(2000万画素)による独自の画像認識技術(特許出願中)で、加工対象のワークと加工を行う砥石それぞれの形状、位置関係を、多方向から非接触で正確に捉えることに成功。
撮影で捉えた3Dデータをもとに、荒・仕上げ用砥石で刃先ホーニング加工を行い、加工前の計測のみならず、加工後の検査も再度、カメラで行うことが可能だと言う。
山下部長は「全数検査を含めた量産加工対応を目指し開発中で、来年中の販売を計画。JIMTOFに参考出展することで、工具メーカー様や再研磨加工業者様において、ドリルの刃先ホーニングに従事されている方々からの率直なご意見をお聞きして、開発に反映させていければと思う」。