菱高精機がGTJで自動ドリルホーニング専用機「SILIUS」を改めて提案。今秋からの販売開始に弾み

菱高精機株式会社

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SILIUSをバックに撮影に収まる町田専務(右)と川原センター長

GTJに出展していた菱高精機ブースを訪問し、町田専務、機販部の川原米子ラボセンター長に取材を行った。

 昨年のJIMTOFで参考出展された、業界初の自動ドリルホーニング専用機がGTJでも注目を集めた。
 川原センター長は「ドリルのホーニングは、未だに手作業で対応していることが多いかと思うが、この点で、マンパワー不足を織り込みながら、人に依存しない完全自動化を目指した」と改めて開発の背景に言及しつつ「このほどSILIUS(シリウス)と命名した。星の中で一番、明るいと言われている恒星から採らせて頂いた」と、その由来を含め、製品名を紹介された。
 「旋回させながら、光を当て、2基の5Kカメラ(2000万画素)による独自の画像認識技術(特許出願中)で、加工対象のワークと加工を行う砥石それぞれの形状、位置関係を、多方向から非接触で正確に捉えることに成功した」との特徴に触れ「撮影で捉えた3Dデータをもとに、荒・仕上げ用砥石で刃先ホーニング加工を行い、加工前の計測のみならず、加工後の検査も再度、カメラを活用して行える」と説明する。
 リアルな撮影、対象のドリルと削る砥石の位置関係の把握がポイントとなるようだ。
 「ブースでは価格に対する問い合わせも多く、具体的な商談に近い、意見交換を行うこともできた。今秋の販売を計画しており、それまでにドリルの刃先ホーニングに従事している方々からの率直なご意見をさらにお聞きして、最終製品へと結実させていきたい」と川原センター長は製品化への意欲を語った。
 一方、町田専務には、3月期末を迎えていることもあり、今期の総括と、工具関連の状況について触れてもらった。
 「この1年を振り返ると、高知工場の移転に際して、3工場それぞれの製造ラインの見直しに着手し、効率化を目指して取り組んできたことがポイントになる。リーマで構築した深穴の世界のみならず、穴あけなら『菱高』との評価を頂けるよう、この分野でのいっそうの深化を目指す」。
 穴あけの「守備範囲」は、特殊対応含め、φ0・05~φ300と非常に広い。
 「少ないロットでも要望に応じていきたい。また、ロウ付け技術も弊社としては大切にしていきたいと思う」。
 ターゲットは、自動車関連のみならず、航空機分野も視野に入れていく。
 「特殊から対応力の強化を通じて、準標準、そして標準化への道を展望していきたい」。
 このほか、切粉を除去し、機内とワークを洗浄するTITANについても触れてもらった。高知県からも、自動清掃用工具として、「高知県地場産業賞」を受賞している。


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