ドリルホーニング専用マシン「ORION+」が今夏にも第一号が納品の運びに。菱高精機米子ラボ訪問。
受注生産体制で対応へ。価格は1000万円台前半

菱高精機の米子ラボを訪問。左から門𦚰スタッフ、川原センター長、松本スタッフ、山下部長が顔を揃えてくれた
ホーニング専用マシンとしてオンリーワン商品を標榜する、菱高精機製「ORION+(オリオンプラス)」の現状を伺うべく、鳥取の米子・ラボに、川原センター長、山下部長を訪ねた。
2024年8月に試作機が完成し、その年のJIMTOFに参考出展して以来、昨年のメカトロテックも含め、この間、加工ソフトの改善、改良に努めてきたと川原センター長は言う。
「ドリルの刃形は実に様々で、画像処理や加工後の動き、ホーニング後の幅といった切り口で、工夫、トライアルを重ねてきた。特に(ソフト改良の)ヒントとなったのが、依頼されたテスト加工を通じた、可能性の広がりと具体化の方向性であり、明らかになった問題点を洗い出し、ひとつひとつ、解決策を見出していった」。
テスト加工は、まさに山積みとなったようで「手作業をなくせ」というニーズの高さを改めて実感したようだが「特に大手工具メーカーから求められる基準は高かった」と川原センター長は振り返る。
「ORION+」の特長は、非接触による測定とホーニング加工を一連の動きで対応できる点にあり、すでに特許登録済み。
「2台のカメラで正面と側面の2方向からドリルの形状を追っていき、角度に応じて旋回しながら照明を当てつつ、加工する側の砥石の位置もカメラで割り出せる、弊社独自の画像認識システムを採用。測定は完全非接触で行える」。
ホーニング専用機ならではの加工の安定性は、チェックポイントとなるだろう。
詳細を記すと「直線の刃型のみならず、波形などの多様な刃型に対応」「画像認識システムにより、複雑なドリルの形状を1分程度で自動認識。切刃のラインは、10ミクロン間隔で最大500ポイント以上の検知が可能」‐にまとめられ、今後の開発テーマとして「ドリルの先端が円錐形状のものや3枚刃などへの対応」「ホーニング幅の自動検査システムや、砥石によるチャンファーホーニング加工後にさらにブラシを当てるハイブリッドな機構の開発」を掲げている。
現在、「ORION+」は受注生産の体制をとっており、受注第一号の納入が今夏に迫ってきた。
機械販売を統括する山下部長は「人手に頼っているホーニング作業からの解放は、まさに人手不足への対応であり、需要は高い。事実、手ごたえもある。価格の目安として、1000万円台前半とご理解いただければ」とアピールする。
菱高精機の機械販売では、再研磨機のEPSILON、工具測定機のJUST‐SCOOPE、そしてホーニング専用機として、ORION+がラインナップされ、工具に関わる現場への提案に広がりが伴ってきた。今後とも目が離せない。

ORION+内部機構