受注内容は基本的に特殊仕様、広島にサービス拠点設立、ショールームに「MX7 ULTRA」「GCX LINER」常設へ
ANCA Japanの流目すべき3点

ANCA Machine Tools Japan株式会社

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広島にサービス拠点を設け、リスポンスの向上に努めていくと語る、サービス担当の今田マネージャー

今、ANCA Japanで注目すべきは、特殊仕様に溢れる機械販売、広島に駐在員を配置するサービス強化、そして来春からショールームにマイクロ工具向け「MicroX ULTRA」ギア研削用「GCX LINER」の常設‐の3つに集約される。
 板倉社長は「12月で半期を終えるが、台数ベースでは、前年同期比25%減となったものの、売り上げベースでは同1・5倍を記録。単価の高い特殊仕様が多く、なかでも特徴的なのは、100%ロボットとのセットで受注していることだろうか。ホイールとワーク、さらには砥石も含めた自動交換が意図されている。秘密保持を結ぶケースがほとんどで、専用設計を経て生産に着手していく」。
 特殊仕様のベースマシンとしては「MX7 ULTRA」「FX7 ULTRA」がメインとなるようだ。
 サービス強化の取材では、今田カスタマーサービスマネージャーに同席してもらった。サービスの専任は現状「5人体制」で、地域では関東・東北(1人)、中部(3人)、大阪以西(1人)の3ブロックに分類されている。
 「中部エリアから1人、来年の1月から広島に拠点を設けて、異動を計画。地域に極力密着し、顧客からのリスポンスを良くして他社との差別化を図っていく方針だ」。
 ユーザーエリアについても拡大の一途を辿ってきたことが背景にある。
 「遠隔対応や出張ベースでは内容のレベルや件数が限られてくるうえ、巡回、点検サービスを積極的に展開していく上でも、エリアごとの強化は欠かせないと判断する」。
 ユーザーにとっても、訪問時間や諸経費に配慮する負担が軽減される魅力があるだろう。
 ショールームには、来春以降「MicroX ULTRA」「GCX LINER」の2機種が新たに加わり、既設の「FX7 ULTRA」と合わせ、3機種が常設機となる。
 「MicroXは100分の3ミリから対応する極小径工具加工用の新世代マシン。ナノメートルレベルの制御を可能とし、日本における精密・微細工具づくりに貢献できるかと思う。既にテストカット依頼が多数舞い込んでおり、1日も早い設置のために尽力している」
 「GCXは世界販売の20%を日本市場で占める人気機種。形状データを入力すると、研削・砥石データが出力される独自のソフトウエアESCOを搭載。歯車(ギア)工具製造での優位性を、様々なトライアルを通じて体感して頂きたい」
 新規2機種の導入のタイミングに合わせて、来春にはオープンハウスを実施していく。
 「弊社にとっては、下半期の一大イベントとして仕掛けていく。営業~アプリケーション~サービスまでの一貫体制を敷くようになって5年目となる真価を発揮していきたい」。