工作機械は落ち込むも、半導体や自動車関連は健闘—THK。発展見せる「Omni THK」
中野中部統括部長
- THKの中部エリアの業況について、中野中部統括部長にヒアリングし、紙面化を試みた。
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- 中部エリアは、工作機械関連の比重が高いため、メインとなるLMガイドやボールねじ等は、その動向に大きな影響を受ける。
- 「しかも、当社の主要ユーザーである大手工作機械メーカーになるほど、中国市場にしっかりとコミットしている。米中貿易摩擦の煽りを受け、現状では厳しくなっているほか、国内ティア1クラスの需要の動向も無視できない大きな要因で、工作機械関連を大筋で見れば、マシニングセンタ、レーザー加工機、放電加工機、旋盤の順で、シュリンクしてきたと言っていいだろうか」。
- 工作機械の落ち込みは、来年3月までは、継続する、との見方が多い。
- 「ただ、半導体&搬送、液晶装置などのIT関連業種は、ほとんど、落ち込みが見られない。三河地区を中心とする自動車関連も、あまり低迷していない」と相半ばする産業別需要にも中野統括部長は言及する。
- 「当初の予定よりも、納入延期を申し出る客先が増えてきたのも、この間の特徴だろう。今後、期待したいのは5G需要。デバイス、メモリー関連が一挙に動いてくる一方、CPUではメモリー関連の動きに着目したい。ユニット化したLMガイドへのオファーが想定できるからだ。さらに自動車関連で、5世代モータの組み立て工程ラインに絡んで、アクチュエータ需要が見込まれる」。
- 新規分野への対応も見逃せない。
- 「コンビニエンスストアの省人化対応として、スライドレールや自動化の動き。手軽に陳列ができる、そのサポート役としてコミット可能だ。さらにリニア新幹線の試作で、6駅あるプラットフォームに関連する需要も期待したい」。
- メカトロテックでは、ガイド、ボールねじ、クロスローラーリング、ロボット、アクチュエータ、WEBソリューション提案の「Оmni THK」等を提案。
- 「メカトロテックという展示会の性格も考慮して、工作機械関連を主体とした出展となった。LMガイドや、ボールねじの新製品も盛り込んだ」。
- LMガイドの新製品では4方向等荷重ローラータイプの「HRX」、ボールねじではボールリテーナ入り高速コンパクトボールねじ「SDA‐V/SDAN‐V」を名指ししてもらった。
- HRXの特長は転動体にローラーを使用し高い剛性を持たせているばかりか、LMブロック4方向に対する等荷重となるよう、ローラー列を配置して、あらゆる方向に対しても高剛性となるよう配慮。さらに客先の利便性を鑑みて、同呼び形番のLMブロック、LMレールで自由な組み合わせで規格を満足させる互換性製品をラインナップしている。
- 一方、SDA‐V/SDAN‐Vは、最高回転数5000(DN値:16万MAX)の高速を実現しているほか、外径比最大30%コンパクト化(従来同社製品比)し、新開発の循環部品により、理想的とも言えるボール循環構造を実現させている。
- さらに製造向けサービスとして展開中の「Оmni THK」は、日本システムウエアと日本マイクロソフトと連携し、海外市場も含めた共同マーケティング活動や新しいサービスモデルの創出、営業連携による拡販支援にも深化を見せてきている。
- 短納期品の検索、注文の迅速さ、部品の共有化や設計ノウハウの共有、さらに客先の生産計画と一体となった供給時期・数量の一括管理・・・今後、どのように「Оmni THK」が発展していくか、この面からも、ブースでは、問い合わせが目立った。
ボールねじの新製品
製品に直接触れ、確認する来場者