展示会出展に見るTHKの最新技術動向 新製品では回転モジュール「RMR」の受注開始
7月から受注スタートした回転モジュール「RMR」
6月、7月の展示会アピールを通じて、THKの最新技術動向をまとめてみた。
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素材をアピールしていたと言う点で興味深かったのが機械要素展(東京)で披露された「THK-NM1」だろう。
「軸受けに求められる機能と非磁性を高次元で両立させつつ、腐食性の強い薬品や消毒液にも優れた耐食性を備える。NM1を使用した製品特長としては、高水準の非磁性、優れた耐荷重性能、高精度で滑らかな動きの実現に寄与するばかりか、ほぼ全ての薬剤に対する高耐食性、表面処理ではないため、剥がれの心配がなく、腐食によるメンテナンスを大幅に軽減していく」メリットを訴えた。
この展示会では、7月から受注開始された回転モジュール「RMR」も出展。設備に最適なロボット設計に寄与していくもので「複数の回転モジュールとアーム部品との組み合わせることにより、ロボットを自由に構成できる。組み合せ例としては水平多関節3軸、垂直多関節4軸(壁掛け)などが挙げられる」そうだ。
減速機やモータとの一体化による工数削減も
食品関連のバックヤードとしての活用も
減速機やモータ、エンコーダ、ブレーキをモジュールとして、一体化することで、部品選定、設計、組み立てに掛かる工数の削減が可能となる。
「(適用例として)食品関係では、自動化が困難であったバックヤードで活用を図ることが可能かと思う」と言う。
また、名古屋で開催されたロボットテクノロジージャパンでは、省力化モジュール「MLS」が初披露された。
「今回は参考出展で、まもなく発売となる。シンプルなモジュール構成での提供、簡単な制御形態で、自動化の裾野を広げる。水平搬送の単純作業の置き換えとして浸透させていきたい」考えだ。
そのほかには、ならいハンドは140キロまでの可搬質量のシリーズ拡大が図られ、このほど受注も始まったことを付け加えたい。トランスミッションやエンジンなどの自動車関連、及び工作機械関連からの、更なる引き合いも期待できるだろう。
最後になるが、プラットフォームロボット「SEED-R7シリーズ」の展示コーナーでは、ヒト型のサービスロボットを遠隔操作できる技術を披露した。
可搬質量140キロまでのシリーズ拡大が図られた「ならいハンド」
省力化モジュールとして提案された「MLS」
遠隔操作で人と同じ動きをする「SEED-R7シリーズ」