国際ロボット展で、多数の新製品、新技術を紹介

THK株式会社

THK株式会社

星野産業機器統括本部IMT事業部長

自動化、ロボット化への盛りだくさんな提案のみならず、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォームOMNIedgeの新たな提案も・・・THKの国際ロボット展ブースは、初出展、初提案の新製品、新技術の、まさに百花繚乱の場となった。以下、ランダムながら、紙面紹介させて頂く。

 製造ラインの生産性と柔軟性の向上との観点で取り上げたいのが「次世代リニア搬送システム」。リニアモータの特性を活かし、速度やピッチを自由に変えることができる。
 垂直・水平の循環方式を選んで、モジュール長を300ミリ、600ミリ、1200ミリの中から選択。位置決め精度は±5ミクロンだと言う。
 ターゲットは生産量の調整を要する現場で、自動車メーカーおよび関連メーカー、電子部品メーカーなどを想定している。
 物流の自動化から提案されたのが円筒座標型ロボットの「MLS100キロ可搬仕様」。重量可搬物が対象で、省スペース需要に対応しつつ、高積みされる高頻度を想定した。
 ロボット走行軸モジュールMRTと組み合わせることで、広い作業エリアを確保することができるうえ、MLSストロークアップ仕様、MLS20キロ可搬仕様などの展開も可能になってくる。
 ロボットを支える技術として、注目されたのが「Astral Motion Gear」。スリコギ運動とも呼ばれる歳差運動を用いた独自の機構を採用した減速機で、高トルクに対応。ロボット回転モジュールRMRに組み入れられ、ロボット関節の軽量化、コンパクト化で期待が高まっている。
 複数の回転モジュールとアーム部品や直動製品を組み合わせる「コンビネーションロボット」による提案で、ロボットの自由度が高まり、自動化の中で求められる多様化するニーズにも対応していく。
 搬送ロボット「SIGNAS」からは牽引重量1トンタイプが追加された。内蔵カメラで目印となるサインポストを認識しながら自走する搬送ロボットであり、積載用途のほか、複数台の台車を後方に連結させたり、台車の下に入り込んで牽引するなどして、次工程に製品を搬送することができる。牽引重量を既存機の2倍の1トンにすることで、より幅広いワーク、用途に応えていく。
 OEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge」から、ロボット展開幕に合わせ、保全一元管理ツール、スキル管理AIソリューションの提供がそれぞれ開始された。
 保全一元管理ツールは、設備保全の情報をデジタル化して、保全活動の効率を最大化していくのが目的。保全履歴、修理の進捗状況、定期点検の通知、ワークフローなど、設備や保全に関するデータをクラウド上で一元管理していくことで、たとえば、設備の不具合や修理の進捗状況を関係者とタイムリーに共有していくことで突発的な設備の故障にも迅速に対応できるようになる。
 一方、スキル管理AIソリューションは、どの生産設備を、誰が、どの程度、操作や保全ができるかといったスキルデータを設備保全データと組み合わせ、より包括的な管理とデータ活用を可能にするサービスを提供。実施に当たっては、株式会社Skillnoteとの連携をスタートさせた。

星出産業機器統括本部技術本部長
星出産業機器統括本部技術本部長

多種多用な提案で盛況を極めた国際ロボット展
多種多用な提案で盛況を極めた国際ロボット展