柳YKT社長インタビュー 「総合的なアドバイス通じ、メリットを享受頂く」、付加価値型ビジネスへのシフト掲げる

YKT株式会社

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柳社長

柳社長は「顧客に寄り添い、総合的なアドバイスを通じて、メリットを享受いただく」ことに努め「販売の枠を乗り越えた『付加価値型ビジネス』へのシフト」をアピールする。
 「足元の状況では、弊社の主力販売製品である電子部品実装機が昨年10月以降、持ち直し始めた。内容的にはマルチオーダーが目立つ」なか、創業100年を折り返し、110年を見据えた中長期ビジョン「YKT Vision 2034」を策定、連結売上高200億円(以上)ROEで12%以上を目標に設定された。
 「当面の中期経営計画(3か年)の目標では、連結売上高130億円(以上)ROE5%以上を指標に据えた。既存商品の拡販はもとより、取り扱い商材の幅を広げていくことが念頭にある」。
 その有力候補として挙げられたのが「自動化」分野。
 「たとえば、自動運搬車両AMR/AGVへの注力。部品や部材などの入出庫を、人が介在しなくても、計画通りに行える有力ツールだが、日本市場でも普及しつつあるものの、まだまだ、参入の余地はあると思う」。
 因みに自動化の進展については「ロボット掃除機ひとつ取ってみても、多くが中国製となっているように、中国が断然、リードしている」と柳社長は付け加えた。
 既存商品で、確固たる地位を構築しているのが米・OGPの測定機だ。
 「今年の1月~3月の第1クォーターを見ても、満足のいく数字が積み上がっている。日本市場で測定の分野は、国内メーカーが圧倒的なシェア。ここにいかに攻め込むか。OGP製測定機の特長は、『使いやすさ』であり、セールスポイントでもある。シェアアップでは、高級機の普及も考慮している」。
 この点では、昨年のJIMTOF初出展となった三次元測定機「FUSION400」やマルチセンサ三次元測定機「SmartScopeM7」をチェックしない訳にはいかないだろう。
 これまでになかった目を見張る動きとして、言及されたのが「大型機」の動向だ。
 「メーゲレのグラインディングセンタなどが特筆できるだろう。案件としても、航空機・重電のタービン部品、ネジ転造ダイス、段ロール向けに活発な動きを示している。納期が長いため、好不況に左右されにくいのが特徴と言える」。
 新たな注力分野として「自動化」に言及されたが、日本市場にない、輸入商材の拡充に、今後も期待したい。
 10月開催のメカトロテックでは「切削工具向けのソリューションとして、製造のロロマティック工具研削盤、表面仕上げの全自動ラッピング装置サーフエッジ、品質管理の画像顕微鏡ツールレンズを紹介する予定」。


昨秋開催のJIMTOF出展ブースでは創業100周年がアピールされた